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2008-06-08
■[Text]船場吉兆よりひでえ:小学館(2)次々に出てくる内部告発
前回のエントリの続き。
http://d.hatena.ne.jp/muffdiving/20080607
で、雷句誠さんの小学館提訴の件、色んなとこに飛び火してるようで。
そんな中で、新條まゆさん(快感フレーズの人)が、小学館を離れてフリーになった経緯を自らのブログで公表した。
思うこと。:まゆたんブログ
http://blog.mayutan.com/archives/51397618.html
作品のイメージの割には、すげえまともな人って感じだ。今回の件追ってる人は必見。
そして、次に移れと指定された雑誌は、
「それまで」の新條まゆと何ら変わらないものを求められる雑誌で・・・
こういう時に言葉を選んでいてもどうかと思うのではっきりいいますが
もう、Hな漫画は描きたくなかったのです。
それはその時思っていたことではなくて、
『快感フレーズ』を描き上げた後からずっと思っていたことでした。
新條まゆといえばHな漫画が多いイメージがあるが、快感フレーズ終わった後からそう思ってたのか。というと、散々有名になってるアレは無理矢理描かされたのか・・・。てか、快感フレーズから結構経ってる間好きじゃねえもの描かされたらたまらないよなあ。
が、一つの流れを作ってしまった自分が自分の首を絞めてしまったわけですが
当時はその流れに逆らうことが許されませんでした。
確かに、あれでひとつの流れになっちまった所があるからなあ。
で、小学館離れてフリーになるのだが、そのときの小学館の対応が酷いというか。
悩んで、悩んで、小学館を離れる決心をしました。
それを担当に告げると、
「だったら、いままでの出版物を全部絶版にする!」と言うので、
驚いて、「脅すんですか?」と言ったところ
「脅してるのはそっちでしょ!!」と言われてしまいました。
えーと、出版社側が、勝手に絶版ってできるのか?そもそも版権の引き上げって漫画家側ができるのでは?
おまけに「頭がおかしくなってる」と言われ、むりやり連載を1回休まされました。
わたしは猛烈に反対しました。
楽しみにしているファンに申し訳ないと。
しかし、結果、休むことに。
が、休ませた本人はなんと、雑誌に休む旨の予告を入れなかったのです。
結果、まるで原稿を落としたかのような扱いに・・・
それだけならいいです。が、私の漫画が見たくて買ったファンの子は
どうするのかと落ち込みました。
大人にとって200円ちょっとなんて、はしたお金かもしれませんが
それを無駄にさせてしまった子がいるかと思うと、本当に胸が痛くて。
あの時、もっと反抗して、休まなければよかったと悔やみました。
てか、この編集、人間として腐ってるな。それに比べ、とことん読者を考えるまゆたんは・・・。
ある話を耳にします。それは、編集部の一人が
「新條まゆが連載を休んだのは、休ませないと移籍すると脅したからだ」
と発言したものです。
えーと、勝手に事実捩じ曲げるってどんなDQN企業だっての、小学館は。
が、話はおかしな方向に行きます。
内部事情を暴露したと、うちのスタッフを出入り禁止にしてしまったのです。
うちのスタッフといっても、わたし専属ではなく、いろんなところで
小学館はやめさせてしまいました。
自分たちが言って来たこと、やって来たことを顧みない行為に
私は完全に編集部への信頼を失ってしまい
移籍する決意を新たにしました。
これ、編集部が滅茶苦茶すぎる・・・。
そりゃ移籍するよなあ。雷句さんのケースより酷いし。
で、まゆたんも小学館時代、かなり売れてる漫画家なわけで。売れてる漫画家に対してその対応じゃ、他の漫画家に対する対応も想像できるな。
ここへ来て、やっと新條が本気だと言うことがわかったらしく
慌てて大規模なお食事会がセッティングされ、お偉いさんも集まりました。
そこでそのときの自分の気持ちを正直に伝えました。
「甘ったれるんじゃない!」と言われてしまったのです。
やりたいことを伝えて何が悪いんでしょう。描きたいものも描けずに
求められるものだけ描いてればいいと言うことでしょうか。
てかさ、小学館の漫画部門って、誰が編集者のメシを食わせてるという基本的なことがわかってねえような。
基本的に買ってくれる読者がいて、コンテンツを提供してくれる作者がいるから雑誌って成り立つわけだし。そこには誰が偉いという関係はねえと思うのだが、強いて言えば全て同じぐらいに重要なわけで。
ましてや所属の漫画家って、テメエのところの社員じゃなくて、取引先なわけで、取引先に舐めた口利くってのは社会人としてどうかと思うが、それをTopがやってるんだったら終わってるな。
そのかわり、書類上の契約よりも強固な「暗黙の了解」という専属契約が存在します。
基本的に他社で描いてはいけないのです。
一言で追い出せて、つなぎ止めておきたい作家は、どんな嘘やウワサや
丸め込みを使っても、つなぎ止めることが出来るわけです。
てか、「暗黙の了解」って・・・。
漫画家は世間知らずが多いです。社会人として働いた経験があるわたしでさえも
「他社で描くなら、今までの出版物はすべて絶版」と言われた時、
「じゃあ、ダメなのか・・・」と一度はあきらめました。
この時すでに、他社の編集部からいろんなお仕事の引き合いがあって
その方々が「そんなことは絶対にあり得ない!作品は作家のものであって
出版社がどうこうできるものじゃない!
そんなことを言う編集者が本当にいるのか?」と驚かれたので、
初めて「ああ、脅されてるのは自分なんだ」と気がつきました。
他社の編集者から驚かれたのはこれだけではありません。
小学館の編集者の態度、発言、作家に対しての扱い、あらゆることが
「信じられない」と言われました。
どんなにひどいことを言われても、それが当たり前だと思っています。
以前、集英社のネームが遅れてしまって、土日に担当さんの自宅に
ファックスを送ることになったんですが、わたしは頑なに
担当さんは「自宅でも受け取りますよ〜」とおっしゃってくれたのですが
土日にネームのファックスを送った時に、激高して電話がかかって来て
「編集者が安い給料で仕事してるのは土日は何があっても休めるという
こっちの休みまで奪うな!」と言われたことがあったからです。
小学館って、平均年収1000万オーバーしてると聞いたが安い給料とはこれいかに。
http://zerogahou.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_f9c1.html
更に言えば出版業界ではトップクラスだろ。さらにいえば漫画家は仕事なけりゃ稼ぎはないわけだが編集者は会社に飼われてりゃ給与もらえるわけで。甘えるのも大概にせえやって感じですが。
余裕をもって作品を仕上げています。絵も納得がいくまで書き込んでいます。
それは以前、原稿がギリギリになってしまって、絵が乱れてしまった時、担当に
「水は低い方へ流れるって話、知ってる?わたしのように水瓶に
水をたくさん貯めてるような人間が、あんたみたいなダメな人間の近くにいると
こっちの水瓶が減るのよ!」なんてことを言われたからです。
てか、小学館はこれ以上会社の名誉を汚す前に漫画部門の編集を全部リストラしちまったほうがいいような。
移籍しようと思ったきっかけとなった編集長の言動に対してもそうですが
あの時、一言だけでも「今までありがとう。この雑誌がどうしても
新條が欲しいと言ってるんで、これからはそっちをどうか助けてあげてほしい」
という言い方をされていたら、もっとがんばれたかもしれない。
「小学館を離れて、いままでとは違うものを描いたら売れなくなる」
などとも散々言われましたが
もうここに至ってはお金ではないのです。
そこら辺って、確かにそうだよなあ。
小学館の漫画編集自体人対人としての接し方に問題がある人が多いと思う。
雷句先生のブログを拝見しましたが、言いたいことは非常にわかります。
同じ作家として、行間に隠された憤りや悔しさを感じ取ることが出来ました。
ただ、私同様、あれがすべてじゃないはずです。
新條も、上で書いたことがすべてではありません。
もっといろんなことが書ききれないほどありました。
そりゃ確かに雷句さんに共感するわなあ。
その賠償金が低くても、誠意ある態度を感じれば、
あんな風にことを大きくなさらなかったのではないでしょうか。
例えば、長年一緒に仕事してきて、誰よりも信頼している方が原稿をなくしたとします。
その方は、自分に出来る精一杯の誠意ある態度で謝罪したのですが、
そんな場合、提訴なさったでしょうか。
保証金の低さが、誠意の低さに現れていると感じ取られたからではないでしょうか。
確かにそういう面はあるとは思うな。もはや金の問題じゃないという部分はあるし。
新條も以前、なくされたことがあります。
原稿は戻っては来ませんがカラーもモノクロも版下というものが必ず残っているので、
新たに出版する時に描き直すことまでしなくていいのです。
その時は、編集者の誠意を感じて、こちらが「そんなわざわざ・・・」と思ったものです。
てか、まゆたんも失くされたって・・・あまりにも紛失が多くないか?
で、この先は必見だと個人的に思う。
一度信頼関係を失うと、何を言われても信じられなくなります。
編集者は作家とそりが合わなくても、毎月多額のお給料が入ってきますが
モチベーションを下げられ、話をねじ曲げられ、精神的に追いつめられて
絵も話もボロボロになってしまったとしても
それはすぐに生活にかかってきてしまいます。
その辺がまさに漫画業界の問題点だと思う。音楽業界もマネージャーとの相性で良くもなり悪くもなるというのはあるが。で、漫画がコケたときのリスクが、編集と漫画家では雲泥の差がある。編集の場合は、社員である限り、連載がすっ転んでもせいぜい左遷程度だろうし。特に小学館のような船場吉兆顔負けのとこだったら責任は漫画家に押し付けてほっかむりというのもよくある話だろう。
だけど、漫画家の場合、連載がコケたら単行本収入は入らないし、次の連載の保証はないわけで。
ましてや専属契約結んでたら他誌への移籍もままならないわけで。
例えば、新條を育ててくれた口の悪い編集者がいるのですが
新條が新人の頃その人に、ネームを床にばらまかれ、
「こんな漫画じゃ商売にならないんだよ!」
と足で踏みつぶされました。
「お前はウジ虫みたいな漫画家なんだから、
とも言われました。
と言われて、なんの才能もないけれど、努力だけは自信があった、
でもその努力すらダメなのかと絶望して、泣いたこともありました。
でも、誰よりも新條の漫画をかってくれて、時には編集長とケンカをし
時には出世払いしろとおいしいお店に連れて行ってくれたりもしました。
なので、そんな罵倒もダメ出しも当時はなにくそ!とがんばれたし
また、その言葉の一つ一つに作家への愛情を感じとることも出来ました。
それは強固な信頼につながりました。
今ではそれらのエピソードは笑い話のネタにもなっているくらいです。
それらはすべて信頼関係があってこそ。
確かに、罵倒だけ見たらこりゃ酷いってことだが、その後のフォローはきっちりしてて、作品に対する愛情があるし、作品通すためだったら上とも喧嘩できるから、いい編集者だとは思う。この場合。
で、皮肉だけど、ヒットメーカー=いい編集者ということではない。
また逆に、ヒットメーカーと呼ばれ、いろんな漫画家さんから担当してもらいたいと
もしかして今話題の人なんだろうか。
ただ、信頼関係を築かないうちに、頭ごなしに言うことを聞かせようとしても
それは無理です。
そしてそれ以上に、もっと高度な言葉を超えたツールも持っているものです。
相手の表情を読んだり、ちょっとした言葉の抑揚で、気持ちの変化を察したり。
だから、同じ言葉を発しても、「自分のために怒ってくれてる」というのと
「見下されてる」という感情が生まれるわけです。
それらを駆使して、相手に合わせるということが出来るのです。
相手に合わせるという行為を省いてしまっては、
コミュニケーションもなにも、あったものじゃないです。
そのためにはまず、何回も会って、話すことです。
今はメールというものが使われるようになり、
相手の気持ちを推し量るのが困難になってきました。
もっと会って、話して、時には飲んで、どんな人で、どんな考え方かというのを
把握することから始めないといけないのではないかと思っています。
そして、お互いの気持ちに根底は必ず
雷句先生の陳述書だけを見て声を荒げずに
お二人で会ってお互いの考えを話してみることから初めてみてはいかがでしょう。
わたしは、橋口先生がおっしゃっていることも理解出来ます。
自分が信頼している担当を名指しで非難されたという文面だけ見てしまえば
お怒りになるのも当然でしょう。
原稿をなくすと言う行為自体は許されるべきことではありませんから。
いや、あのブログは、本人かどうか結構疑わしいのだが・・・
で、件のブログ、さらに進展があった。恐らく、雷句氏のこのエントリに反応してのことだが。
http://88552772.at.webry.info/200806/article_3.html
あと・・・個人的連絡になるようでスミマセン。
どうやら「冠茂」氏から、酒井ようへい先生の携帯に何度も連絡が来ているようです。酒井先生はその電話を受け取っていませんが、冠茂氏の記事に関しては、「雷句誠」が、掲載した物です。今回酒井先生に「話題に出してくれ」と、お願いされた物ではありません。「自分、雷句誠のアシスタントが酷い目に遭ってたから自分がこう言う事例を後に作っては行けないと考えての掲載」です。用件があるなら、自分の所へ連絡をお願いします。サンデー編集部が自分の電話番号を知らないと言う事はありません。
どうぞよろしくお願いします。
「冠茂」って。今話題のアレな編集ですよね。つーか、やり口がすげえ汚いというか。雷句氏に直接言えばいいものの何で元アシに?
で、自称橋口氏もさらに斜め上を行ってるようで・・・てか、アレって本人なのか?色々出てくるから本人の疑いが強くなってるが。騙りだったらそれこそ逮捕もんなわけで。
http://ameblo.jp/hassy19677/entry-10104394697.html
酒井君は今、どういう気持ちなんだろう…?問題の発言に関しては言った言わないのことだし、ボクはありえないと思うだけだけど。
ボクはかつて酒井君と冠と3人で焼肉を食べたことがあるが、あの当時は連載開始間際で、酒井君は冠のことを褒めちぎってた。自分の彼女(同じサンデーの新人)も冠に担当してほしいとまで言っていたのも酒井君だし…。
てか、勝手に他人のカノジョ云々の話持ち出す時点で、人としての品性がどうかと思うのだが?
そもそも、これってブログに出すべき内容なのか?雷句氏に直接言えばいいだけの話なわけで。
でも、そういう失敗を私は冠と一緒にやることで成功して、取り返せたと思ってるし、酒井君だって自分と合う編集者を新しく見つけてがんばればいいと思う。 そのために担当はかわるわけで……。
冠が逃げたなんて書いてあったけど、担当をかえるのは編集長なんだし、失敗した担当者が責任とってやめさせられるのは当然なんだよね。ボクの場合は、冠と組んだことによって雷句先生に比べたら、ちっぽけな成功かもしれないけど、それでも成功と言えるわけで、さらにその上で私は冠と仕事をしたくて自ら編集長に、担当をはずさないで欲しいとお願いしてつなぎ止めていた。
それと、ボクが酒井君のことを覚えているのは、冠が今でもキミのことを心配してよく話題にするから…。
それだけは忘れないでほしい…。
・・・これ、橋口氏本人だったらアレだというか、何か冠マンセーの文章が目立つんで、その問題の編集が名前騙って書いてるような気になってきた・・・てか、小学館も、大事にならない前に止めたほうがいいんじゃねえのか?
で、まゆたんブログに戻る。
そして最後に一言。
これは心底、驚いて、我が目を疑い、何度も金額を確かめたのですが
ありえないくらい安いです!!!!!これ、どういうことですか?
新條の場合は、6年前から上がるのをストップしてもらっています。
そういう方、結構いらっしゃいます。
ちなみにほっとくと1年に一回、1000円ずつ上がります。
そんな新條の原稿料よりも遥かに安いってどう考えてもおかしいです!
確か、あの雑誌には1ページ10万とかの作家さんがたくさんいらっしゃるはず。
でも、連載作家は正直、原稿料が高いか安いかなんて、さほど気にしません。
アシ代でなくなってしまうものなので。
が・・・雷句先生ほどの方が・・・・これはあんまりです。
むしろ、このポイントだけでも、怒って当然です。
これ確かにおかしいわ。小学館に銭もたらしたという部分では、まゆたん以上で、そのまゆたんより遙かに安いって・・・。てか、アシ代で原稿料がなくなっちまうという時点で、漫画家と出版社の契約に問題があると思うのは俺だけだろうか。ましてやガッシュの人は週刊なわけで、アシ代もまゆたんよりはかかるだろう。アシスタントに対する拘束時間が段違いなわけで。
ただ、問題のある作家には「お仕事をもらっている」という意識を持ってもらいたいし、
問題のある編集者には「お仕事をしてもらっている」という意識を持ってほしいと思ったのです。
その上でのちょっときついアドバイスも暴言も「愛情と信頼」あってこそだと
思うことが出来ると思うのです。
多いというだけのことなのです。
それが小学館の問題で、その結果が今の体たらくだろうなと思う。
ヤングサンデーは休刊するし、スピリッツも売上部数下がりまくってる、そして週刊少年サンデーも・・・
少女コミックは有害指定でボロボロだし・・・今の苦境はなるべくしてなったというか。
まさに船場吉兆だな。そういや同族企業ってもの船場吉兆と共通するか。
少しでも気持ちよく、お仕事ができる状況になるよう、祈るばかりです。
現に、私に対して、誹謗中傷、暴言の数々を繰り返した編集者によって
声を上げることなく消えて行った、前途有望な新人をいくらでも見ています。
こんなことがあってはいけないのです。
もう、新條まゆという作家は第一線を退いているという認識があります。
100%の仕事ができるよう、力になることがあればしてあげたいと思っています。
もちろん新條まゆ自身もこれから先、自分のペースでやりたいお仕事を
楽しく続けて行くことに変わりありません。
てか、まだまだ第一線だと思うけどなあ。それにしても、フリーとはいえ、その手の発言ってハイリスクな状況で後進を考えてあえて発言した姿勢はすげえ共感するというか。
今までネタにして申し訳ないという感じだ。
ちなみにまゆたんは、後輩の漫画家が漫画賞を受賞した際に、100本の薔薇の花束を贈ったという。
女だけど漢や・・・。
http://www.aokikotomi.com/blog/2008/02/post_361.html
てか、小学館って、少女漫画もトラブル多いのな。惣領冬実も小学館ともめて今はモーニングで書いてるし。
で、これって、ネット上では相当大きいニュースになっているし、もう少し火がつけば、マスコミも取り扱うだろうか。
マスコミ的にも美味しいネタだとおもうけどね。ガッシュも有名で、まゆたんも結構一般人に顔知られてるし。
で、裁判沙汰になって、ここまで火が付いたらどうなるか。小学館側の対応としては、事実確認の上、必要であれば問題の当事者の編集の更迭も視野に入れるのが現実的な対応だろうなと。その上で、コンプライアンス部門を社長直属で作り漫画部門に対する監査を行ったうえで、契約内容を適法なものにする、さらにコンプライアンス部門から漫画家に編集に対するアンケートを取り(無記名で)、その結果をフィードバックして所属漫画家に対するフォローを行わないと、それこそ漫画部門だけじゃなく、企業そのものも傾くのでは。いつまでも「ドラえもん」の遺産食い潰すわけにもいかないだろうし。
その辺やらんかったらどうなるか・・・。
まあ、他の出版社からの草刈場になるのが落ちだろう。ギャラの相場も知れ渡って、社風も知れ渡ってる状況じゃ、なかなか新人が来ないだろうし。低迷期のジャンプのように。
で、前回のエントリにも書いたのだが、漫画家と出版社の契約は問題のあるケースが多い。特に新人漫画家についてはメジャーと契約ということで舞い上がって、契約内容を確認せずに判子押してトラブルになるケースが多い。
じゃあ、現実的な方法はないのかという点で、法務に強いエージェントが漫画家と出版社の橋渡しをするという方法を提唱した。前回のエントリのコメントで情報が寄せられたが、小説界では既にそういうところがあるという。
http://www.boiledeggs.com/about.html
ちなみに、ここから三浦しをん(直木賞作家)や滝本竜彦、万城目学などを輩出したという。
具体的にはこんな流れで進むらしい。
・検討・登録料として3万円振り込む。(1作品単位)
↓
・原稿を送る
↓
↓
↓
・エージェントが代理人として作家側の権利保護を最優先に契約書締結業務にあたる。
↓
漫画でいえば、多少編集寄りのこともやる感じだ。1作品あたり3万が高いか安いかは判断が分かれるし、その後の契約状況がどうなるのか見えないが、使い方によってはすげえイイ感じに働くかなと。
漫画界に適用するにはまだ時間がかかる部分があるが・・・ちなみに海外では代理人方式が多いという。
あとは、今でいう同人誌市場の拡大か。音楽でいえばインディーズにあたる。
音楽の場合は、今はインディーズでもELLEGARDENのように下手なメジャーよりも売れてるところはあるが、それはインディーズでも大きいところはディストリビューションに困らないというのが大きい。まあ、Epitaphなんかめちゃくちゃ配給網でかいしなあ。漫画でこういう市場が作れたらすげえ強いと思う。
漫画にとっては同人誌がインディーズにあたるが、同人誌売ってるところって、コミケかまんだらけ、とらのあなと言ったコアな書店しかないというのがなあ。一般書店に同人誌が置ける状況になったら出版社も編集者がふんぞり返るっていう状況にもなりづらいというか。
それに対する障害はどんなのがあるだろうか。ちょっと考えてみた。
・基本的に漫画家が版元になるので、ある程度売上が見込めなければ発行部数が少なくならざるを得ない。
・その結果、1冊あたりの値段が高額になる。
・漫画家がディストリビューションする必要があるので、製作に集中できない。
・ディストリビューションするにしても、出版配給する会社がトーハンと日販の寡占状態。いずれも大手出版社のヒモ付き
印刷の問題は、複数の漫画家が共同でひとつの印刷会社に共同受注することで1冊あたりの値段を下げるしか方法がないか、デジタルデータ配布にしてコストダウンを狙う。
デジタルデータ配布形式にする場合、本屋以外の流通網も使えるのが強いかと。iStoreで同人誌のCDブックを売るようなイメージかな。ディストリビューションについては、それ専門のエージェントがあると結構やりやすいかも。
あとは、コミケの回数を会場分けて増やすとか・・・ビッグサイトで飽和状態だというしなあ。そうなると管理の問題が出るか。なかなか音楽でいうインディーズのようにはいかないなあ。
ただ、一部の出版社に見られる編集>漫画家という状況はどう見ても不健全だとは思う。編集<漫画家でも問題はあるが。編集と漫画家がお互いの仕事に敬意を持って接するというしか解決策はないのだろうが、それって常識以前の話だからなあ。会社としてやるべきことは、明らかに作り手に有害な編集をオミットするしかない気がする。
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