SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2000年9月30日の放送内容

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「離婚」

 離婚という言葉に、昔ほどの悲壮感は無くなりつつあるようだ。
 厚生省の統計資料によると、昭和25年から平成7年までの間で、既婚者における離婚率は4.6倍にも増加。バツイチという言葉も定着し、離婚経験者であることを隠す必要もなくなってきた。
 AVANTIのカウンターに座る男性の中にも、「離婚しようと思っているんだ」というセリフが口癖になっている人は珍しくない。どうやら、女性を口説くためのリップサービスらしく、それで本当に離婚した人の話は聞かないのだが。
 映画で、TVドラマで、小説で、そしてBarのカウンターで、大安売りされている感がある「離婚」だが、その本当の姿とはどんなものだろうか。AVANTIの常連客の中から、経験者の話に聞き耳を立ててみよう。




  • 池内ひろ美さん(東京家族ラボ心理研究所主宰)の

    「離婚の学校」の話

     「離婚の学校」という学校を開いている。でも、離婚を勧めているワケじゃない。離婚をするためにも、しないためにも、必要な情報というものがある。それを伝えるという意味で、「離婚の学校」と名乗っている。
     私が離婚したのは、7年ぐらい前。その時は、「離婚したい」と思っても、何をしたら良いのかがさっぱり分からなかった。本を読んでも、専門用語ばかりで、何が自分に必要な情報なのか分からなくて。その時の経験を元に、必要な情報を伝えるための学校と、個人相談のための窓口を開いている。
     学校では、4回の講義を行っている。1回目は「離婚の法律面」。協議離婚とか調停離婚、裁判離婚という言葉は聞いたことがあっても、その具体的な内容は経験者でないとなかなか分かりにくいもの。私の経験、それから相談で聞いた体験談を中心に、具体的に何が行われるのかをお伝えしている。
     2回目は「離婚の経済面」。お金の事は、夫婦の問題と切っても切り離せない部分がある。いざ別れるとなったら、財産分与、慰謝料、養育費など、様々な問題を解決しなければならないので、それらについて説明する。
     それ以外には、「そもそも結婚って何だったんだろう?」と、結婚と離婚を振り返り、再婚を希望するなら、それに向けての道なども伝えしたりもしている。今、「幸せな結婚」というものが何かを説明できる人は、ほとんどいないと思う。だから、一般論としての「幸せな結婚」ではなく、自分自身が経験した結婚はどういうものだったのか、何が足らなくて何が過剰だったのかをもう一度振り返り、せっかく離婚するのであれば、「後悔」ではなく「反省」をして、新しい人生を送って欲しいというメッセージでもある。
     ウチの学校には男性も女性も、離婚したい人もしたいと言われた人も、いろんな人が来るけれど、一般的に言えば、「離婚したい」と思っているのは、女性の方が多い。よく、「ウチのは大丈夫ですよ」とおっしゃる男性は多いけど、それは甘い。

    【Hot Link !!】

  • 池内ひろ美の離婚の学校
  • 離婚シューレ・レスキュウ室
  • あらさんのなんとも相談室



  • 阿部さん・片岡さん・増田さん(離婚経験者)

    「離婚体験談」

    (片岡さん)
     籍を抜いたのはもう8年も前の話。でも、私の場合は状況がちょっと特殊だった。できちゃった結婚で籍を入れたら、向こうの親に反対されて、「籍を抜かなきゃ学費も出さない」って言われてしまった。歯科大ってお金が掛かるから、仕方が無くその通りにするしかなかった。でも、その時は「彼が立派な歯科医になったら、私を迎えに来てくれるんだ」と思っていたんだけど、一度、形だけでも別れてしまうと、案外気持ちも醒めちゃって。結局、それっきりになってしまった。

    (増田さん)
     私の場合は、離婚の前に1年間の別居期間があった。彼は「別居したままでも結婚は続けたい」って言ったんだけど、住まいや食事が別になると、気持ちも夫婦ではいられなくて。それで、私の方から「離婚したい」って言った。
     別居のきっかけは、喧嘩の末に「出てってくれ!」と言われた事。売り言葉に買い言葉だったんだけど、その前にもいろいろあって、もう我慢できないと思った。浮気だったら別に構わない。誰にも相手にされない人より、モテてる人の方が良いと思うから。許せなかったのは、ウソをつくこと。「この目はウソをついてる目じゃない」と思ったことが、後になってウソだと分かったりして、何が本当か分からなくなってしまった。暮らしが裕福だったら我慢できたのかも知れないけど、お金もなかったし。
     「出てってくれ!」から3日。部屋を探して引っ越したんだけど……いま考えると、そこまで彼を追い込んだ私も悪かったかな、とは思う。

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  • バツイチ開運縁結びカラットクラブ
  • 明るいバツ1連盟



  • 福岡翼さん(芸能レポーター)の

    「芸能人の離婚」の話

     視聴者は「どこで離婚の話を聞きつけてくるんだろう?」と不思議に思うかも知れないけど、こういうお店が一番危ない。誰も聞いていないだろうと思って「今、○○さんから離婚の相談を持ちかけられているんだけどさ…」なんて言ってると、どこで聞き耳を立てている人がいるか分からない。
     そうやって仕入れた噂は、そのまま放送したり記事にしたりするわけにはいかなくて、いわゆる「裏を取る(裏付けをする)」という作業が必要になる。さすがに本人に聞くわけにも行かないので、仲の良い友達に聞きに行ったり、よく出入りしているお店で耳をそばだてたりする。それで、「これは間違いない!」と確信できてから、本人なりマネージャーなりに聞きに行く。
     でも、最近はすっかり「張り込み」とか「追っかけ」をしなくなった。昔は、家の前で夜更けまで本人を待ったものだけど、近頃は顔がばれてしまい、張り込みをしようものなら「え?!今日は何のニュース?!」って近所の人が集まってしまう。
     そういえば、今も、大物歌手で「危ない」って噂されている人がいる。奥さんとうまくいってなくて、奥さんが家を出ちゃってるって話なんだけど、そのくらいで取材に行くと、「何とか仲直りしようとしているところだから、勘弁してよ〜」ってお願いされる事もある。だからといって引き下がったら、別の所でドカンと出ちゃったり。この商売、人が良いのも善し悪し。
     今年は芸能人の離婚が少ない年。去年離婚して今年発表されたのが小柳ルミ子さん。沢田亜矢子さんは裁判になってまだ揉めている。キチンと「今年の離婚」と言えるのは、南果歩さん、山城新伍さん…それくらいか。全体的に、女性の方が元気があるような気がする。
     かつて、離婚は女性にとってハンディだと思われていた時代があったけど、最近はそんな事は全然ない。それは、なんだかんだ言って、マスコミがスターの離婚を取り上げて、その後も立派に生きている姿を伝えたおかげじゃないか、と、ちょっと自画自賛だけど思っている。




  • 阿部さん・片岡さん・増田さん(離婚経験者)

    「離婚体験談」の続き

    (増田さん)
     それで、1年の別居の後、離婚したんだけど、離婚届を書く時は全然わだかまりもなくなってて。二人とも巨人ファンだったんだけど、ナイターを見ながら「コレって、ココに書けばいいのかなぁ?」「フリガナも振るんだっけ?」「じゃあ、コレ、ハンコ押しとくから出しといてね〜」って感じで、湿っぽい雰囲気も険悪な雰囲気もなかった。
     結婚生活は3年ちょっとで、その前にも6年くらい付き合ってたから、結局10年弱付き合ってた計算になる。それでも最後に離婚しようと思ったのは、別居してからしばらくして、自転車を漕ぎながら風を受けた時に、「私は自由なんだ、幸せ〜!」と感じてしまったから。
     私は彼のことが本当に好きだった。でも、彼が帰ってきて、ドアをガチャガチャさせると、いつもビクッとしていた。彼の前でストッキング姿になったこともなかった。いつも緊張して、気を使っていた。その事に、自転車に乗って風を受けた時に気が付いてしまった。
     私は、結婚生活の奴隷になっていたんだと思う。19の時に知り合ってから、彼は私にとっての唯一絶対の人だった。でも、少しずつ世間を知っていく内に、彼の言っていることが全てではないという事を知ってしまった。それも、離婚に至った原因の一つかも知れない。




  • 望月千代子さん(弁護士)の

    「最近の離婚事情」の話

     お互いに一つ屋根の下に暮らしていて、向かい合って楽しげに食事をしながら、頭の中では別のことを考え、心の中では別の思いを持ち、それでも暮らしや食事を続けられる、それが人間。それだけは理解しておいた方が良い。
     特に男性に多いのだけれど、30〜40代になり、仕事が充実してきて、自分の人生は非常に意義があると感じてくると、なぜか女房まで自分と同じ充実した人生を送っていると錯覚してしまう事がある。だからある時、奥さんが思いもよらないことを言った時に、「お前はそんな事を考えていたのか、オレは何も知らなかった」となってしまう。その原因は、あくまで男性の錯覚にある。これだけは注意した方が良い。
     さて、もし離婚をする際に、話を簡単にしたいのなら、男性の場合は全財産を置いて出ていけば良い。よっぽどのことがない限り、それで無事に離婚という話になる。ところが男性の場合は、次の家庭を持つ計画がある人が多くて、なかなかそうも行かない。
     でも本当は、最近一番多いのは、「お金があれば払うんだけど、払うお金がない」という人。
     昔は結婚してから数ヶ月、ないしは50歳を過ぎてから別れるケースが多かった。これは小さな子供がいる内は、教育の問題もあるから我慢するという人がいたから。それで、子供が独立したから離婚する、という人が多かった。
     ところが最近は、30〜40代で離婚するという人が増えている。子供が小学校高学年から中学くらいでも、お互いにやっていけない状態になってしまい、離婚という話になる。でも、教育費やローンを抱えて、生活するだけで精一杯。だから「お金があれば払うんだけど、払うお金がない」となってしまう。
     30〜40代の離婚は非常に解決が難しい。中には親が干渉してくるケースもある。本人に財力がないから、親のお金で払うとか。まぁ、無いものは無いんで、仕方がないんだけど…

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    放送曲目リスト

    Time Title Artist Label Number
    8'45" Some Of These Days Rosemary Clooney BMG BVCJ-7480
    17'18" You'd Be So Nice To Come Home To Helen Merill Emarcy Records 814 643-2
    28'44" Please Don't Talk About Me When I'm Gone Frank Sinatra reprise WPCP-4081
    37'26" The Trouble With Me Is You John Pizzarelli STASH Records PHCE-1023
    45'13" Everybody Loves Somebody Sometime Dean Martin Eyebig JECD-1028

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