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天井知らずの鉄鋼価格、頭抱える輸出企業(下)

 現代製鉄と東国製鋼も主力製品の熱延鋼板と造船用厚板の値上げを検討中だ。鉄鋼メーカーは今回の値上げは避けられないとの立場だ。ポスコ関係者は「国内業者の苦境に配慮して、国内の競合社や国際相場に比べ20-30%安い価格を維持してきたが、原料の鉄鉱石と石炭の価格がそれぞれ65%、200%上昇し、値上げをこれ以上先延ばしできない状況だ」と話した。ポスコの熱延鋼板価格は同70万ウォン(約7万2800円)で、中国からの輸入品(同85万-86万ウォン)に比べ20%以上安い。冷延メーカーも「原材料の輸入ホットコイルは7-9月期の価格が同1000ドル(約10万7300円)まで上昇し、現在の価格では赤字になる」としている。

◆半年で60%上昇

 輸出業者は年初来2-3カ月ごとに鉄鋼価格が上昇していることに困惑の表情を浮かべている。

 造船大手の関係者は「ポスコが4月に厚板価格を同78万5000ウォン(約8万1600円)へと18%も値上げし、原価が上昇した状況で再値上げとなれば、新日鉄の同850-900ドル(約9万1200-9万6600円)に迫る。原価負担があまりに膨らむ」と苦境を語った。厚板価格は船舶建造コストの平均15%を占める。

 また、別の造船業界関係者も「厚板価格の上昇分はある程度船主に転嫁できるが、現在のように値上げが続けば、輸出競争力が低下する」と危機感をあらわにした。韓国の大型造船所は毎年、必要な厚板の半分程度を国内で調達している。日本製の厚板供給には限界があり、中国製は同1200ドル(約12万8800円)を上回り国産より割高だ。

 耐久消費財を生産する自動車、家電業界は、造船業界のように鉄鋼価格の上昇分を製品価格に反映させるのが難しく、状況はさらに深刻だ。現代・起亜自動車は「鉄鋼価格が年初来3回の値上げで、昨年末に比べ60%以上上昇した。そうかといって、現在のような物価上昇局面で自動車価格を引き上げるのも難しく進退窮まった状態だ」と話している。

崔有植(チェ・ユシク)記者

金承範(キム・スンボム)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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