重い障害を持つ人たちに対する福岡県の医療費の助成制度が今年10月から変更され、入院費用などの自己負担が増えることになっています。
こうした中、福岡県久留米市は県の方針を見直し、市が肩代わりする形で障害者の負担を軽減することを決めました。
久留米市議会はきょう、障害者の医療費助成に関する条例を改正することを決めました。
重度障害者に対する医療費助成制度は、今年10月から大きく変わります。
医療費の抑制を進める福岡県は、これまで無料だった入院費用を月額1万円を上限として自己負担することや、一定額を超える所得がある人については、医療費の助成をしないことなどを決めました。
これに対して、久留米市は県が決めた方針では、障害者の負担が重過ぎるとして改正したのです。
入院費用の自己負担上限額は県の半分にあたる5,000円にとどめ、残りは市が肩代わりすることにしました。
また、所得制限は設けず全ての対象者に医療費助成を続けていきます。
対象となる久留米市の障害者はおよそ6,400人で、市が年間およそ6,000万円を肩代わりするのです。
きょう条例が可決されたことに、対象となる障害者はひとまず安堵の表情を浮かべました。
厳しい財政状況の中久留米市は、上級官庁である県の方針を見直しました。
ほかにも見直しを検討している市町村があるようですが、財政負担を伴うだけに各自治体、頭を痛めているということです。
必要な医療費の助成と社会保障費の抑制、この2つの線引きは大変難しい作業ですが、障害者でつくる団体などはぎりぎりまで働き掛けを続けて自己負担の軽減を求めていく方針です。