鯵ケ沢町立中央病院から医師確保の依頼を受けていた県は20日、緊急臨時的医師派遣システムを活用し、国に対して内科医二人、整形外科医一人を7月以降できるだけ早期に派遣するよう要請書を発送した。今後は厚生労働省医政局長の諮問機関である地域医療支援中央会議幹事会に諮られ、派遣の可否について判断が下される。同省医政局は「できるだけ早期に派遣の可否を判断したい」と述べた。同システムに基づく派遣要請は、県内では初めて。
同病院は一時期9人いた常勤医が5人(内科2人、外科3人)にまで減少。同病院の依頼を受け、県地域医療対策協議会が3月に要請について協議し、同病院が西北圏域唯一のへき地医療拠点病院であり、医師不足の影響は大きいとして、要請やむなしと判断。その後、県が要請に向けた準備を進めていた。
同病院事務局によると、内科医については従来と同様に3人以上の体制を取れるよう、2人の派遣を要請。もともと常勤医がいた整形外科についても、1人の派遣を求めた。
鯵ケ沢町の長谷川兼己町長は「医師不足で病院の財政、勤務医の労働環境とも厳しくなっている。国には地域の医療事情を理解してほしい」と改めて派遣に期待を寄せた。
また、仮に派遣が決定されても期間が6カ月間と短期間であることを踏まえ、「今回の派遣要請と並行し、県や弘前大学医学部と連携して医師確保に努めていく」と述べた。