Topニュース教育 > おさんしんぽ 「お産」で悩む妊婦さんへ 藁谷深洋子さんの報告(3)

教育

教育

2008年06月21日 12:12

おさんしんぽ 「お産」で悩む妊婦さんへ 藁谷深洋子さんの報告(3)

 私が今働いているところはかなり女性医師が働きやすい環境です。私もひとり目を保育園に預けて復帰したんですけれども、昼休みに授乳にいったりなどできる条件です。
 そういうことがかなうのであれば、復帰したいという方がたくさんおられると思います。それができずに仕事に戻れない医師の方がたくさんおられると思います。
 そういう環境が変われば、もう少し産科の状況がよくなるのではないかと思います。
そうやって女性医師がいなくなって、男性の医師に負担がかかってしまって、当直の回数が増えてしまい、みんなが疲弊してしまうことがあります。
 産科だけでなく小児科も、診れる先生が充実している状態じゃないので、小児科の医師も同じ状況で、施設数が確保できないところがあります。
 一年神戸にいて、感じたのですが、たらいまわし事件などがあって、産科医の立場から意見を言うと、患者さん自身が大きな病院で診てほしい、という思いがあるんですが、その委託を受けるときに、受け入れる側の施設がいっぱいで、これ以上受け入れてしまうとみなさんの安全を守れないということで断ること何度かありました。
 一番母体搬送を受けないといけない病院にいたんですが、患者さんが手いっぱいでこれ以上受けてしまうと安全を守れない、それなら他の病院にいってもらった方がその方のためになるという場合があります。他の病院に何件もあたって、やっと受け入れてもらうところがみつかった。そして救急隊員に連絡する、ということが何度かありました。
 たらいまわしと言われたり報道されると、医師としては、こんなに一生懸命仕事をしているのにそういう言われ方をするのかと、余計に働いている側の疲れを倍増させられてしまうことになります。
 安全を第一に考えて自分にあったお産を考えて、妊娠中のすごし方、お産のありかた、産後の子育ての中で愛情がどんどん生まれていくものだと思うので、最終的にどいういうお産になっても、がんばって産んだ結果だと思いますので、時間をつくってゆっくり考えていただければと思います。


教育の新着一覧