北部病院が産科一部再開/来月から 紹介患者受け入れ
【名護】県立北部病院(大久保和明院長)が、二〇〇五年四月から休止していた産科の診療を七月一日から一部再開する方針を決めたことが二十日、分かった。医学的症状や経済的理由で民間の開業医では対応が難しい分娩患者を受け入れるが、基本的には紹介が必要となる。
医師不足は解消されていないため、二十四時間の救急体制再開のめどは依然立っていない。同病院では今年二月に、婦人科の外来を一部再開。当面は、産婦人科の医師二人で対応する。
同病院の産科休止で、危険性の高い北部の妊婦の分娩は、中南部の病院に搬送しなければならないため、搬送中に症状が悪化するなど危険性が指摘されていた。
大久保院長は「経済的に苦しく、民間病院からの紹介を受けた患者などを対象に部分的に再開する。公的医療の役割を果たしたいと考え、早急に医師確保をしたいが、救急体制のめどは立っていない」と話している。
村田昌功産科部長らは「医師も看護師も不足している厳しい状況だが、要員が配置されるのを待てる状況ではない。医師二人のまま再開する窮状を行政は理解し、真摯に医師の確保を考えてほしい」と話した。