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[米国] 【インタビュー】
PCの誤設定で人生を棒に振った不運な男の話

悲惨としか言いようのない出来事も一歩まちがえれば「明日は我が身」

(2008年06月19日)

職場でPCが支給されたら、まずセキュリティ対策が十分に施されているかどうかを確認したほうがいい。というのも、それらが機能しないばかりに悪質なプログラムに感染してしまい、最悪の場合、職を追われることにもなりかねないからだ。IDG News Serviceでは、最近、悪質なプログラムに人生を台無しにされた人々の代弁者として注目を浴びている元マサチューセッツ州公務員、マイケル・フィオラ(Michael Fiola)氏に話を聞いた。

Robert McMillan
IDG News Serviceサンフランシスコ支局

 2006年11月、米国マサチューセッツ州政府からDellのノートPC「Latitude」を支給されたことが、マイケル・フィオラ(Michael Fiola)氏の悪夢の始まりだった。同氏は、PCに児童ポルノ・コンテンツをダウンロードしたとして起訴され、仕事と友人を失い、およそ1年間を無駄にするはめになったのである。結局のところ、同氏のコンピュータを調査していた州の捜査官は、Fiola氏が違法ファイルを取得した十分な証拠はないと判断し、1年間続いた法廷闘争は先週に入り幕を閉じた。

 州捜査当局は当初、これとは正反対の結論に達していたが、Fiola氏がフォレンジック調査官を雇い、問題のPCを調べさせるに至って、ようやく本件に対する見方を変えた。Fiola氏がかけられた容疑の重大性を考えるに、フォレンジック調査の結果判明した事実はおそるべきものと言えた。同氏のPCでは、マシンを最新状態に保つための管理ツール「Microsoft Systems Management Server(SMS)」も、ウイルス対策ソフトウェアも機能しておらず、悪質なプログラムが山ほど入っていたのだ。こうしたプログラムがPCに違法ファイルをダウンロードした可能性はきわめて高い。

 Fiola氏は以前、州労働災害局の調査員として働き、企業が労災補償制度を完備しているかどうかを調べていた。それがこの数日間は、悪質なプログラムに人生を台無しにされた人々の代弁者として注目を浴びている。現在、ロードアイランド州ノースシチュエートで保険のセールスをしているという同氏は先ごろ、IDG News Serviceの電話インタビューに応えた。以下、その一部を抜粋して紹介しよう。

 
――労働災害局での仕事にノートPCが必要だったのはなぜですか。

Fiola氏:基本的には、報告書を迅速に作成するのにPCを使っていました。企業を訪問し、規制に従っていないことを突き止めた場合は、PCにログオンしてリポートを書き、ボストンにある本局にすぐ連絡が行くようにします。そのほか、企業について調査する目的でも使用していました。

 
――それ以前にも仕事用のノートPCを持っていましたか。

Fiola氏:ええ。問題のPCは2台目でした。最初のコンピュータは、2006年11月にボストンのオフィス近くに停めていた車から盗まれてしまったのです。

 
――11月に盗難に遭うまで、そのPCはどれくらいの期間使用していたのですか。

Fiola氏:約1年半です。

 
――新しいノートPCを使用するようになってから、何かおかしなことに気づいたことはありましたか。

Fiola氏:それはまったくなかったですね。そもそも私はコンピュータに強いというわけではなく、タイピングも自己流でやっているほどです。PCを起動して電子メールを書いたり、指示されたとおりフォームに記入したりすることはできますが、その程度が限界です。ふだんからインターネットを検索し、ブラウジングする習慣はありません。ゲームもしません。チャットは使ったことがないですし、今後も使うことはないと思います。ノートPCは主に仕事用でした。


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