「離婚後300日以内に誕生した子は前夫の子とする」民法772条の規定で無戸籍の長男(1)の保育料を巡り、彦根市の男女が「事実婚とみなして4万円の保育料を請求するのは不当」として12日付で同市に異議申し立てをした。
彦根市後三条町、派遣社員、河崎満さん(44)とパート従業員、塩谷(しおや)友来子さん(40)。
昨年5月、2人の間に長男纏(まとい)ちゃんが誕生。塩谷さんが前夫と離婚して50日後で、法律上は「300日規定」で前夫の子とされるが、河崎さんの子と認定してもらう裁判などを嫌い、婚姻届も出生届も出せないでいる。
申立書によると、2人は「市から同一住所のため『既成婚』(事実婚)と言われたが、2人の間柄は『同居人』であって『夫婦』ではない」と主張。市規則が「(保育料は)家計の主宰者の所得に応じて算定する」などとし、河崎さんの前年の所得税から4万円の保育料を請求するのは不当だとしている。
河崎さんは「事実婚とされると、きつい。子どもを保育園に行かせられなくなるのは厳しい」と話している。
これに対し、市子育て支援課は「コメントは差し控えたい」としている。【金志尚】
毎日新聞 2008年6月19日 地方版