カトマンズ(CNN) ネパール当局は19日、中国政府への抗議デモに参加したチベット難民ら650人を拘束した。さらに、抗議行動を主導したとされるチベット人指導者3人を逮捕、起訴した。当地の治安当局者らが語った。
当地の難民らは今年3月のチベット騒乱以来、連日のようにデモを実施してきたが、同日の拘束者数はこれまでで最も多かった。警官隊がデモ参加者らを待機していた車に引きずり込み、次々に警察へ護送する光景がみられた。難民グループ側は、同日の拘束者が900人に上ったと主張している。過去の例では、拘束されたデモ参加者は数時間後に釈放されている。
一方、指導者3人は同日朝、それぞれ自宅から連行された。非政府組織「チベット女性協会」の正副会長を務める女性2人と、チベット難民のインドへの出国を手助けする「チベット人受け入れセンター」所長の男性1人。当局は、中国との外交関係を損ねたとして3人を逮捕。治安法に基づき、90日間拘束する方針を示している。ネパール当局が、抗議行動をめぐってチベット人を起訴したのは初めて。
中国チベット自治区では21日、五輪の聖火リレーが実施される予定。各地で抗議デモの再燃が懸念されている。