新型インフルエンザをめぐり、対策を検討していた与党プロジェクトチーム(PT、川崎二郎座長)は20日、治療や予防に使う抗インフルエンザ薬の備蓄量を、国内人口の4〜5割分に増やすなどとする提言をまとめる。政府の「骨太の方針」や今夏作成する行動計画に盛り込まれる予定だ。
午後発表する提言で、「人口比40〜50%(5086万〜6358万人分)」の備蓄が必要と位置づける。欧州並みに備蓄量を増やすことで、国民に安心を与え、発生時の混乱を避けるねらい。
現在の日本の備蓄量は、タミフルが2800万人分(政府と都道府県分)、リレンザが135万人分(政府分)の計2935万人分。患者の治療用と事前のワクチン接種が間に合わなかった医師らへの予防投与用を含んだ数字で、人口比で23%にとどまる。
一方、海外の備蓄量は人口比でフランス53%、英国50%、豪州42%など。これまでのPTの会議では、欧州に比べて備蓄量が少ないと指摘。国内で発生すると、医療機関などに治療薬を求める人らが殺到し、混乱しかねないと懸念し、「薬が確実に患者らに届くよう余裕を持たせる必要がある」との議論が高まった。
厚生労働省は、新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)が起こった場合、最大で国内で3200万人が感染、64万人が死亡すると想定している。(石塚広志)