2006年05月31日
軽度発達障害と少年犯罪のお話。
こんばんは。
社会時事に恐ろしく疎い浅木です。
たぶん、私の相方が居てくれなかったら、私の社会情報の疎さは
今の9割増しだったと思われます。
時事に疎い人間がいきなり、時事問題に目を向けてみたところで
基本的な知識が無いから面白くもなんともないんですよね。
それが、相方の口から話を聞いて、分からないところを質問して
面白いと思われる観点とか色々話してもらうと、面白く聞けるんですよ。
これが、また。 ああ、知識って大事ですね。
って、話がそれました。
閑話休題。
ところで、皆さんは、今年の5月に、タリウム母親毒殺未遂事件の判決が出たのをご存知でした?
私は、実は最近まで思いっきり、知らなかったんですね。
それが、ひょんなことから、このブログに石川 元 先生からコメントをいただきました。
そのときに、先生が地方紙の四国新聞に掲載された記事を全文見せていただいて、
初めて判決が出ていたのを知りました。ちょっと、遅すぎ。
この記事、私的に興味深かったんですよねー。
で、その掲載されたものを著者が一部改変した原稿を
このブログに掲載しても良いよって許可を貰いましたので、掲載します。
社会時事に恐ろしく疎い浅木です。
たぶん、私の相方が居てくれなかったら、私の社会情報の疎さは
今の9割増しだったと思われます。
時事に疎い人間がいきなり、時事問題に目を向けてみたところで
基本的な知識が無いから面白くもなんともないんですよね。
それが、相方の口から話を聞いて、分からないところを質問して
面白いと思われる観点とか色々話してもらうと、面白く聞けるんですよ。
これが、また。 ああ、知識って大事ですね。
って、話がそれました。
閑話休題。
ところで、皆さんは、今年の5月に、タリウム母親毒殺未遂事件の判決が出たのをご存知でした?
私は、実は最近まで思いっきり、知らなかったんですね。
それが、ひょんなことから、このブログに石川 元 先生からコメントをいただきました。
そのときに、先生が地方紙の四国新聞に掲載された記事を全文見せていただいて、
初めて判決が出ていたのを知りました。ちょっと、遅すぎ。
この記事、私的に興味深かったんですよねー。
で、その掲載されたものを著者が一部改変した原稿を
このブログに掲載しても良いよって許可を貰いましたので、掲載します。
以下が、その原稿です。
はい。いかがでしたでしょうか。
この事件の加害者である少女は、アスペルガー障害という判定が出たわけですが、弁護士の会見文全文だけではなく、その判定自体も、あまり全国的なニュースでは知らされていなかったのでしょうか?
試しにちょこっと、ぐぐって見たら、「発達障害」とか「発達上の問題があり」程度の文面しか載っていませんでした。
(YAHOO! ニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060501-00000083-kyodo-soci
私は、この記事を読んで、弁護士さんの会見文を見てみたくなりました。
心理士の中でも、軽度発達障害に疎い方は、いるというののに分野違いでも、
それだけきっちりと、軽度発達障害と事件の接点について説明できるんですね。そして、説明してくれるんですね。さすが、プロです。
私も、専門バカにならないように見習いたいです。
そして、こういう事件を通して思うことの一つとしては、
2次障害が出てくる前に、軽度発達障害の診断をうけ、なおかつ
周囲や家族の理解を得られて、うまくこの社会と折り合いをつけて
生きていけるように
なれば良いのになぁと言うことです。
やはり、まだまだ、早期発見と言うのは遅れていますし、発見され診断されても、保護者の方に障害についてのきっちりした説明がなされていないままだったり、療育機関が見つからなかったりで、その子にベターと思われる対応がとられないままになっていることって、多いんですもの。
心の闇!? 発達障害に早期発見を 「心の闇」という言葉を時に聞く。軽度発達障害と少年凶悪犯罪とを結ぶ新造語だが、論理に破綻がある。脳科学が進歩すればするほど、人間のこころがもともと「闇」、つまり曖昧で混沌だと実証されている現実を無視している。脳が平凡(定型発達)なほど「闇」は深い。 化学の知識は教諭も一目を置く、名門高校女子生徒が、静岡県伊豆の国市で母親にタリウムを摂取させ殺そうとした事件は、この5月1日、家裁が、医療少年院送致の保護処分を決定したことで幕引きとなった。 少女は精神鑑定の結果、アスペルガー障害と診断されている。広汎性発達障害(広義の自閉症)のうち、言葉に遅れのみられない型である。通常の学級に在席し、たとえば「皆さんまっすぐお家に帰るのですよ」との呼びかけに「そんなことしたら柱にぶつかる」と言葉を字義通り捉えるなど、比喩や冗談が通じない。マイペースだが、周囲が規則を破ると許せない。小学校では低学年のうちは個性的と評されていても、高学年になり(定型発達の脳を有 する)大部分の児童が、裏表や駆け引きなど対人技能を具えてくると、孤立していじめに遭う、もしくは周囲を攻撃することもある。不登校に至ったり、ファンタジーの世界に没頭するケースも珍しくはない。 日々、愛すべきアスペルガー障害の子どもに接している、私ども診療部スタッフの間では、当初から「また印象を悪くする事件が・・・」という危惧があった。駿ちゃん事件(長崎市児童誘拐殺人)では十分な説明を欠く家裁発表の鑑定結果がそのまま報道され、誤解や憶測を招来した。 幸いなことに、今回「アスペルガー障害」との診断名が初めて公開されたのは、誠意ある弁護士による会見の場であった。アスペルガー障害と事件との接点について丁寧に説明し、障害一般への対応までも示唆する素晴らしい内容である。幼い頃から周囲に溶け込めず、小学校高学年から中学まではからかいの対象で「鳥のまね」をさせられたりしていたこと。高校入学後は周囲との関係を遮断しブログや化学など「自分の殻に閉じこもっていった」結果 、劇物に興味を持ったこと。「いじめなどから自分を守るための手段」として2つの人格を使い分けていたこと。診断名を告げられた家族が受け入れの姿勢を示したあと少女が容疑を認めたこと。診断名を知り専門書の差し入れを要求した少女が「自分にぴったりくる。一致していることが多い」と読後感を語り前向きな姿勢になったこと、など。幼い時にアスペルガー障害と診断されていれば今回のようなことは起きなかった可能性を謳い、会見は終わっ ている。残念なことに地元紙と一部全国紙の地方版にしか掲載されなかった。 専門的立場からいえば、アスペルガー障害と犯罪とは何の関連もない。アスペルガー障害という発達特性と犯罪の先天的・後天的素因とが、個人の中でごく稀に重なったとき、アスペルガー障害に典型とされる想像力の狭小(こだわり)などが、犯罪の動機や経過に色濃く反映されるというだけのことである。両者に関連があるとする推論(「闇」が少し見えやすくなったという錯覚)には飛躍がある。ただ、今回弁護士が強調したように、アスペルガー 障害であることで生じる孤立や阻害、そのために周囲から是正される機会を失った思い込みが、犯罪の素因を顕現してしまう可能性はある。現に、犯罪とはほど遠いものの、周囲を被害的に感じて反発を強めているアスペルガー障害を抱えた青年は多い。 対策としてはとりあえず早期発見である。以降は、家族・学校・医療機関の連携により、規格品でない非凡な脳であることを当事者に告知し、家族ぐるみで専門家との定期的な面談を欠かさないのが現段階では最良策。継続できれば、面談は世間話程度で十分である。 (いしかわ・げん 児童精神科医/香川大学附属病院子どもと家族・こころの診療部教授) 注:四国新聞の日曜版「論点香川」に客員論説委員による文章として掲載されたものに著者自身が一部改変を加えた原稿です。石川氏にその原稿の掲載許可を貰いました。 よって、転載は厳禁でお願いします。 |
はい。いかがでしたでしょうか。
この事件の加害者である少女は、アスペルガー障害という判定が出たわけですが、弁護士の会見文全文だけではなく、その判定自体も、あまり全国的なニュースでは知らされていなかったのでしょうか?
試しにちょこっと、ぐぐって見たら、「発達障害」とか「発達上の問題があり」程度の文面しか載っていませんでした。
(YAHOO! ニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060501-00000083-kyodo-soci
私は、この記事を読んで、弁護士さんの会見文を見てみたくなりました。
心理士の中でも、軽度発達障害に疎い方は、いるというののに分野違いでも、
それだけきっちりと、軽度発達障害と事件の接点について説明できるんですね。そして、説明してくれるんですね。さすが、プロです。
私も、専門バカにならないように見習いたいです。
そして、こういう事件を通して思うことの一つとしては、
2次障害が出てくる前に、軽度発達障害の診断をうけ、なおかつ
周囲や家族の理解を得られて、うまくこの社会と折り合いをつけて
生きていけるように
なれば良いのになぁと言うことです。
やはり、まだまだ、早期発見と言うのは遅れていますし、発見され診断されても、保護者の方に障害についてのきっちりした説明がなされていないままだったり、療育機関が見つからなかったりで、その子にベターと思われる対応がとられないままになっていることって、多いんですもの。
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トラックバック一覧
1. 嗅ぎ取ってみる [ 発達臨床庵 moody cafe ] 2006年06月02日 20:30
[あいさつ]
こんにちは。mooでございます。
いつのまにやら6月です。週末ほど目覚めはさわやか・・・。
そして週末はGIです。最近「ほぼ競馬blog化」してますが、
浅木さんからTBをいただいたので(感謝♪)、
ちょこちょこと関連記事をひとつを書いてみたいと思います。
[...
2. 発達 心理学 [ 心理学@心理学 ] 2007年05月13日 12:57
発達心理学を考える上で、こんな例があります。「男らしさ」を教える米国文化野球、バスケ、アメフトにアイスホッケー、アメリカの男の子達に人気のスポーツといえば、まずこういったものが主流でしょう。それぞれのスポーツに立派なプロリーグが成立していることから考え...
3. 犯罪 心理学 [ 心理学@心理学 ] 2007年05月17日 10:08
こんな興味深いQ&Aがありました。この間,テレビのバラエティ番組で芸能人の人が,ウソ発見器にかけられていました。私は犯罪心理学に興味を持っているので,とっても関心があるんだけど,バラエティ番組ではおもしろおかしく扱うだけで,何か信用できませんでした。また,....
コメント一覧
1. Posted by 浅木
2006年06月04日 14:02
>mooさん
TBありがとうございます。
そちらに、お礼にと思って書き込みに行ったら、コメントだけ書いて送信してしまったので、こちらで、お礼を。
(と、思ったら、こちらで言っても、見てもらえないとあまり意味が無い事に気づきました…。あほだ・・・。)
TBありがとうございます。
そちらに、お礼にと思って書き込みに行ったら、コメントだけ書いて送信してしまったので、こちらで、お礼を。
(と、思ったら、こちらで言っても、見てもらえないとあまり意味が無い事に気づきました…。あほだ・・・。)
2. Posted by moo
2006年06月04日 15:22
>浅木さん
TBありがとうございます♪
毎日、浅木さんのblogはチェックしていますよ〜〜。
なかなか難しい話題なので、blogで触れるには「触れ方」
に注意しないと、誤解・勘違いする人もいるだろうなあと、
抽象的な個人的意見として書きました。
さてさて週末です。まったりいきましょう。ではまた〜♪
TBありがとうございます♪
毎日、浅木さんのblogはチェックしていますよ〜〜。
なかなか難しい話題なので、blogで触れるには「触れ方」
に注意しないと、誤解・勘違いする人もいるだろうなあと、
抽象的な個人的意見として書きました。
さてさて週末です。まったりいきましょう。ではまた〜♪
3. Posted by 浅木
2006年06月05日 20:54
>mooさん
どうも、ありがとうございました。
どうも、ありがとうございました。
4. Posted by すちゃらか
2007年06月27日 11:15
アスペルガーは犯罪じゃないけど、いつしか教師やスクールカウンセラーがそれに適切な専門機関を紹介できなかった事が犯罪になったりして
5. Posted by 浅木
2007年06月27日 22:45
>すちゃらかさん
それぐらい、周囲の意識と知識が高まってくれば、良いなぁとは思いますねぇ。
そして、専門機関も安心して紹介できるところが増えて整備されればばっちりですね。<と、かなり理想的なことを言ってみる。
それぐらい、周囲の意識と知識が高まってくれば、良いなぁとは思いますねぇ。
そして、専門機関も安心して紹介できるところが増えて整備されればばっちりですね。<と、かなり理想的なことを言ってみる。