□ 移行利益拡大策
もし、何らかの理由でIPアドレスを豊富に持っていれば、 IPv6に移行しても、基本的にはまったく何の利益もありません。 IPv6は、あくまで、アドレス枯渇問題へのきれいな解決法、というだけであって、 決して、それ以上の存在ではありません。 もし、枯渇問題以外の利点があれば、 たとえ移行コストを払っても、v6に移行する ひとつの理由になるでしょう。

ここで、私が提案するのが、IPアドレスを10進数、とりわけ、電話番号と おなじ形式にすることです。 具体的には、 たとえば、日本のIPアドレスでしたら、 81-3-1234-xxxx-yyyy
といった風です。 で、yyyyの部分を、社員番号や内線番号にする。
もうひとつ重要なのが、これの設定パネルの様式を統一すること。 これだけでも、IPアドレスの割り当てがとても容易になり、 それだけの理由でIPv6に移行する組織も現れるでしょう。
いまの労務慣行の中、 二進数でIPアドレスの切り分けができる人材を確保するのは非常に面倒なんですよ。 話すと長いんで割愛しますが、 単純作業をマニュアルどおりさせることは可能でも、 自分から勉強することを期待するのは不可能。 その状況で、二進数でのきりわけを覚えさせるのは非常に困難。









さらに、まったく違う次元の解決策もあります。 それは、IPv6をやめ、新たなプロトコルを作ることです。 条件はたった一つ。
移行利益 > 移行コスト
とにかく、それだけを考えて、ゼロベースで新プロトコルを作ることです。 ここに加えるとすれば、それが一般人にも利点がわかりやすいことでしょうね。 店頭デモを3秒触れば利点がすぐわかる。15秒のTVCMを一度見ればすぐわかる。 しかも、理屈じゃなく本能や感覚でわかる。 まったくの一般人でも、直感的に利点がわかる。 「エラい人」でも、3秒で利点が理解できる。 そのあたりも重要かも。

なお、さらにひとつ付け加えれば、この「移行利益」は、L3の変更なしには不可能な ものでないとマズいでしょう。L4とかでも実現できるのなら、 IPv4+次世代TCP、といったプロトコルに負けますし、 また、どんなに無理やりなハックを必要としても、 とにかく現行v4のハックでなんとか達成できる機能なら、 やはり、v4ハックに負けてしまいます。 従来の延長線上では不可能な機能があり、なおかつ、 移行メリット > 移行コストであれば、これは非常に面白い解決策です。 ま、といっても、私個人としては、それは難しいと思ってますね。 なぜなら、アドレス枯渇問題以外の文脈で、 新プロトコルの話ってほとんどないでしょ。 じゃあ、移行利益といっても、たいした利益は出せないだろうな、と。 逆に、凄い移行利益が出せるアイディアがあるなら、枯渇問題以外の文脈で もう私の耳に届いているでしょう。

で、具体的なネタですが、超直感的な次元でいえば、 それは、インターネット放送(ようはマルチキャスト)と、VoDでしょう。
・何も考えずにきれいにマルチキャストが決まる。
・VoD のコストがすごく安い。
具体的な価格ですが、8Mbps のストリームが、一本年間1000円以下なら可能性は あるでしょうね。 別の言い方をすれば、100万人同時視聴可能なVoD が、年間10億円以下で 運営できるのなら、一気に普及するかも。 個人的な直感ですが、インターネット放送関係以外は、 すべて、いまのv4の延長線上で十分何とかなると思っております。 さらに具体的にいうと、MEMS型光スイッチとか。 このあたり前提なら、VoD も可能でしょう。 ただ、それでも、これ、いまのv4の拡張じゃあ無理という根拠は ないんですよね・・・。


ようは、IPv6なんて無理なんだよ!!!
ようは、IPv6なんて無理なんだよ!!!
ようは、IPv6なんて無理なんだよ!!!