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盗聴は目的を持って特定の相手に盗聴器を仕掛け盗み聴く行為です。「盗聴」そのものが目的の傍受マニアの存在など、まれに当てはまらないケースもありますが、テレビなどで放映されているような「どこにでも盗聴器があってもおかしくない時代だ」という大袈裟な発言は営業用と考え、ここでは盗聴される人には盗聴される理由があると考えてお読みください。また、一般的ではない携帯電話・デジタル電話回線・IP電話回線の盗聴・傍受などは割愛します。 一般の方で盗聴される可能性が高いのは、遺産相続・お金の貸し借りなど多額の金銭が絡んでいる場合や、夫婦関係・異性関係などで浮気問題等のトラブルにより仕掛けられる場合などがあります。これらは盗聴という手間と費用を掛けても「見合う」ことだからです。遺産相続であれば数百万円以上のお金が関係してくるでしょうから、数万円の盗聴器を仕掛けて情報を得ることもありますし、浮気調査などで探偵社に多額の料金を支払っている実情からみても、数万円の盗聴器を仕掛ける可能性は考えられます。 また、身内が盗聴することも忘れてはいけません。子供の素行監視のために部屋や電話機・電話回線などに盗聴器を仕掛けたり、徘徊癖のあるお年寄の行動監視のために盗聴器を仕掛ける場合もあります。変わったところでは、新婚家庭に「ちゃんとうまくやっているのだろうか」と心配のあまり、親が仕掛ける場合もあります。盗聴されていると思っている方は、盗聴するには「数万円から数十万円の盗聴器を買って、まず回収できない。」ことを前提に相手がお金をかけて、また、リスクを背負って仕掛けられるほどの理由があるかを一番に考えてみてください。 電話相談やメール相談などで、「人工衛星で盗聴されている。」などという人がいますが、前述のようにそこまでして盗聴される理由があるのかを考える必要があります。技術的に可能だとしても、衛星を使って盗聴するとなればおそらく数千万円以上のお金は必要でしょう。普通の人に数千万円以上のお金を使って盗聴する理由があるでしょうか。 盗聴器の種類や盗聴の方法などを掲載しているホームページなどで情報や知識を得ているようですが、人工衛星とは言わないまでも、盗聴に多額のお金をかける可能性がある企業等ならともかく、一般の人にはそれなりの理由がない限り、多額のお金をかけた盗聴は無いと考えられます。また、携帯電話の盗聴・デジタル電話回線(ISDN)・IP電話回線の傍受も同様で、技術的には可能だと思いますが、現実に一般レベルで行われているかとなると疑問を感じます。後述する「その2」も同様ですが、ここでは、技術的に可能なことではなく、現実的(一般的)に行われやすいことを中心に書いていきます。 一般の人向けの話です。どこで得た情報かわかりませんが、シールみたいに薄い盗聴器・米粒ぐらいの盗聴器・ボタンの中に盗聴器が仕掛けられているという相談があります。まず考えなくてはいけないことは、盗聴器には電気が必要ということです。仮に小さい電池を入れたとしても、何日間も作動するとは思えません。疑わしいものが有る場合には、どのように電気を供給しているのかを考えてみてください。 盗聴器の種類としては、大きく分けると間接盗聴と直接盗聴に分かれます。間接盗聴で代表的なものは無線式盗聴器とレーザー盗聴器で、直接盗聴で代表的なものは有線式盗聴器とコンクリートマイクがあります。おもに盗聴に使用されているものは無線式盗聴器が多く、部屋または電話回線上に仕掛け、音声を電波で飛ばし受信するものです。 分かりやすい例としては、コンサートや会議など使用している無線マイクを想像するとよいでしょう。レーザー盗聴はレーザーを窓に当て、音声で生じる窓の振動を拾い、音声化するものです。 有線式盗聴器は、部屋または電話回線上に仕掛けるという方法は無線式盗聴器と同じですが、有線(コード)を近くの部屋などに引き込み盗聴をするものです。例としてはコードの付いている小型マイクを近くの部屋に引きこんでいるような形です。壁の向こう側の会話を聞き取るためのコンクリートマイクという特殊なマイクもあります。壁にコップをつけて聴く昔ながらの方法や、お医者さんの聴診器を想像していただければ分かりやすいと思います。 コンクリートマイク ここでは、多く使用されている無線式盗聴器について大まかに説明します。まずは電源の取り方ですが、電池式のものとコンセントなどから電源を供給するものとがあります。電池式の代表的なものは電卓や目覚まし時計の中に埋め込まれたものなどです。コンセントなど、外部から電源を供給するものの代表的なものは、三又コンセントやコンピューターのマウスの中に埋め込まれたものなどです。 次に形状ですが、偽造タイプとボックスタイプ(箱型)と転用タイプがあります。偽造タイプは前述の電卓や三又コンセントなどに仕込んだものです。ボックスタイプは百円ライター程度の大きさの黒い箱状のものです。転用タイプは携帯電話やPHSを改造もしくはマイクを付け足したものです。これらは状況に応じて使い分けられています。
引越しの際にチェックしたい方や、調査会社に頼むほどでもないけれどという方は参考にしてください。ただし、あくまでも簡易チェックですのでご注意ください。 1.簡易型盗聴器発見器を使用 2.市販盗聴器発見器を使用 2つの調べ方を紹介しましたが、市販盗聴器発見器とは違った方法で盗聴器か違うものなのかを判断することが出来ます。6万円前後の周波数カウンターは電波を出しているものがあった場合、その電波の周波数を表示する機器です。市販されている盗聴器は周波数が140MHz付近と400MHz付近の周波数が使われていますので、反応があって表示された周波数で判断することが出来ます。 例えば、通販や秋葉原などで販売されている二又コンセントに偽造した398.605MHz(UHF Aチャンネル)がコンセントに仕掛けられていた場合、周波数カウンターを近づければ398.605と表示されます。調べ方は音楽CDなどで音を出しながら行ってください。参考までに、代表的な盗聴器の周波数を表にしましたので参考にしてください。(約\60,000〜)
4.受信機を使用 5.まとめ 盗聴対策で一番大切なのは「部屋に侵入されないようにする」ことです。せっかく盗聴器の有無を調べても、「いつ部屋に入られてもおかしくない」状態ではまた仕掛けられてしまうかもしれません。「部屋に侵入されないようにする」方法としては、「家を守る」のページをご覧ください。 また、友人・知人・上司・特にあまり親しくない人から物をもらわないこと。もらう場合には簡易型盗聴器発見器などで一応チェックしましょう。ドアについている「新聞受」も注意しましょう。穴から盗聴器を投げ込まれたり、貼り付けられたりすることもあります。 レーザー盗聴やコンクリートマイク対策としては、壁や窓に向けて音楽を鳴らすなど振動をあたえたり、厚手のカーテンを引くのも効果的です。盗聴妨害器や携帯電話ジャマー(携帯電話妨害器)も効果がありますが、自己責任で使ってください。(約\8,000〜。携帯電話妨害器は\42,000〜)
傍受マニアは10万人程度存在するといわれています。傍受マニアは受信機を車に積むなどして、盗聴器から発する電波を探し傍受して楽しむ人たちです。自分たちで探すだけではなく、インターネットや雑誌などで情報を得て、その場所に出向き傍受して楽しむ事もします。また、盗聴器を傍受したりすると、その場所等の情報をインターネットや雑誌に投稿したりもします。盗聴器が仕掛けられている場所に住んでいると(特に若い女性)傍受マニアの溜まり場になることがあります。 「盗聴は盗聴される理由がある」と書きましたが、賃貸住宅の場合、前に住んでいた人が「盗聴される理由」があって仕掛けられ、そのまま放置されている場合もありますので、不審な車などが多数集まる場合は注意してください。 傍受マニアの中にはアナログ式コードレスフォンを傍受して楽しむ人たちもいます。アナログ式コードレスフォンは、受信機を使えば簡単に傍受して会話を聞くことが出来ます。「私のは盗聴防止の秘話装置が付いているから大丈夫」などという人がいますが、秘話装置などは、それを解除する機器が通販などで一般に販売されていますから、簡単に破られて聞かれてしまいます。 アナログ式コードレスフォンを使って住所・氏名・電話番号・クレジットカードの番号・暗証番号を話すことなど、とても危ないことです。これらの個人情報等を話す場合には、カールコードの付いている親機を使ってください。もし、どうしてもコードレスフォンを使用したいのであれば、デジタル式コードレスフォンを買って使ってください。携帯電話やPHSも一般的には傍受されません。 「電話で話す内容が漏れている。電話機・電話回線に盗聴器があるのでは。」と疑っている方は、まずはアナログ式コードレスフォンを使っていないかを確かめてください。もしアナログ式コードレスフォンを使っているならば、「電話盗聴器が付いているのと同じ」ということがいえるでしょう。 |
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