先週末、遊び過ぎて、まだ全然アタマが働かないですが、毎日更新してますよ。

目下、TVドラマの劇伴、つまり番組の音楽を作る仕事をしていて、これがなかなかムズカシイのです。

たいていの人がそうであるように、ぼくの年齢から下のニッポンジンにとって最初の音楽体験は、やはりTVなのかもしれませんね。

いちばん最初に憶えた歌は「ポパイ」のテーマ・ソング? それとも「マイティ・ハーキュリー」のテーマ・ソング? もしかしたらフジテレビの夜6時からのアニメの時間に流れていた「船橋ヘルスセンター」の、長生きしたけりゃ、ちょっとおいで、ちょちょんのパッ、というコマーシャル・ソングだったかもしれません。

この春、ウルトラ・ヴァイブから戴いた「3ばか大将」というCD。子供の頃にときどき観ていた、思い切りクダラナイ外国TVコメディ。どうしてこの番組のサントラ? と、不思議に思っていたのですが、聴いてみたらこの番組に限らず、「外国TV映画 日本語版主題歌(オリジナル・サントラ)コレクション」というモノでした。懐かしい、という感慨よりも、こうしたテーマやジングルが、いかに自分の音楽の好みに大きな影響を及ぼしていたか、ということに気付いて、ちょっと驚いてしまいました。いや、このCD、最高ですから。ぼくよりずっと年下の世代の皆さんもぜひ聴いてみてくださいませ。他社の推薦盤、ということで。

さて、きょうの「レコード手帖。」は、まさにTVと音楽の話。初登場、加藤義彦さんです。加藤さんと出会うことになったきっかけも、まさにひとつのTVドラマ・シリーズの思い出を、ぼくが音楽雑誌の取材で嬉しそうに話していたのがきっかけ。去年、<「時間ですよ」を作った男―久世光彦のドラマ世界>、という本を新幹線の中で読んだときも、静かに興奮してしまいました。素晴らしい一冊ですよ。

さてさて、そんなTVの音楽。真っ白なノートブックのような感性の子供には、とてつもなく大きな影響を与えてしまうのだから、ユメユメいい加減に作ることなんて出来ません。あー、悩むなあ。でもNHKの「きょうの料理」の昔からあるテーマ音楽が、「swedish rhapsody」という曲に似ているよ、と教わったときは、なんだか嬉しくなりましたね。どちらも名曲なのです。

ビーチェさんもTVやゲームの音楽をけっこう手掛けていて、はっきり言って、ワタクシよりも巨匠です。才能があって、そしてチャーミングな女性と、この憐れなオトコを比べたりしないでくださいませ。彼女の待望の新作「かなえられない恋のために」いよいよ7月23日発売です。では、きょうも。

(小西康陽)