大阪放送局

2008年6月19日 18時21分更新

無戸籍児が認知調停申し立てへ

民法の規定が原因で戸籍がない子どもたちが戸籍を得る方法として、最高裁判所はこれまでは一般的でなかった実の父親との間で認知を求める調停について各地の家庭裁判所に周知しました。
これを受けて戸籍がない子どもたちが、家庭裁判所に一斉に調停を申し立てることになりました。

女性が離婚から300日以内に出産した場合、前の夫の子どもと推定するという民法の規定があるため、実の父親の子としての出生届けが受理されず、戸籍がない子どもたちは少なくありません。
戸籍を得るためには、これまでは前の夫を相手に家庭裁判所に調停を申し立て親子でないことを確認する方法が一般的で裁判官もこの方法を利用するよう促していました。
しかし、多くは暴力が原因で別れたなど前の夫の協力を得にくい事情があり、当事者たちからは改善を求める声が上がっていました。こうした中最高裁判所は実の父親を相手に子どもと認めてもらう「認知調停」について全国の家庭裁判所に周知しました。
これを受けて戸籍がない子どもたち20人前後が来月上旬、関西をはじめ東京や北海道など全国各地の家庭裁判所に認知調停を申し立てることになりました。
調停が成立すると実の父親の子どもとして出生届けが受理され戸籍が得られることになります。
戸籍がない子どもたちの親でつくる家族の会の井戸正枝事務局長は「一斉に申し立てることで認知調停という救済手段があることを広く知って欲しい」と話しています。