武雄市の樋渡啓祐市長は18日の定例市議会で、市民病院の民間移譲先を決める選考委員会について「選考には市民の生の声も聴いてほしい。そのためには公開のプレゼン(テーション)を開催してもらいたい」などと述べた。移譲をめぐって「出来レース」との批判が市民らの間に広がっていることを踏まえ、改めて市民の声を生かすことを強調したとみられる。
「公開討論会について具体的に説明を」とする上田雄一議員の一般質問に答えた。樋渡市長は移譲先の選考について「市民の知らない密室で決めてはならない」としながらも、「公正中立の立場から、選考委員が決めるべきこと。全部公開にすればさまざまな圧力がかかってくるので非公開にしたい」と答弁。
その上で「希望としては公開のプレゼンで、(公募に応じた)当該病院が直接市民に説明する場を」などと述べ、プレゼン開催や選考委を設けることへの理解を求めた。
また、「武雄市民病院を存続させる会」の「民間移譲を白紙に戻し、市民の命と健康を守る地域医療を拡充することを求める」とする請願書の署名8472筆については「重く受け止めたい」と述べた。
同会はこの請願書を19日に議長に提出する予定。その後も署名を集め、25日に再び提出するという。【原田哲郎】
毎日新聞 2008年6月19日 地方版