2008年9月に開通する東京メトロの「副都心線」は、東京を代表する大繁華街の池袋〜新宿〜渋谷を一直線で結ぶ初めての地下鉄路線だ。「東京の人の流れが一変する」ともいわれており、3地域に店を構える大手百貨店が相次ぎ改装に乗り出した。百貨店業界はこれまで、“銀座戦争”や“新宿戦争”など同一地域内での激しい「店舗間競争」を繰り広げてきたが、副都心線の開通で、いよいよ「地域間競争」が幕を開ける。
伊勢丹幹部「新規顧客を取り込む絶好のチャンスだ」
高島屋幹部「百貨店目当てのお客が流れ込んでくる」
副都心の開通で、鼻息を荒くしているのが“新宿勢”だ。
副都心線は開通後に、池袋から先の東武東上線や西武有楽町線、西武池袋線と相互乗り入れし、渋谷から先でも東急東横線に乗り入れする計画がある。これにより、埼玉県西南部から横浜をつなぐ広域鉄道ネットワークが完成。乗り換えの必要がなく、新宿まで足を運ぶことができるようになる。しかも、伊勢丹新宿本店と新宿タカシマヤは、副都心線の「新宿3丁目駅」と直結する。
これに対し、高島屋は130億円をかけて売り場の半分を刷新した新宿タカシマヤを今年4月中旬に改装オープンする。これまでは、日本橋高島屋とのすみ分けのため、若い顧客層をターゲットとしてきたが、老舗ならではの高級感を演出し、外商も強化する。鈴木弘治社長は、「富裕層の取り込みを狙う」と、宣言している。
東京都心の西側の三大繁華街を貫く副都心線、開通までまだ一年半もあるが、その前哨戦はすでに水面下で始まってるのですね。確かに新宿駅よりも新宿三丁目の駅の方が伊勢丹に行くには楽ですね〜。マルイやiDC、世界堂の本店などもアクセスが大幅に改善されます!