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宮崎勤の死刑執行で鳩山法相を批判した反対派議員の筋違い【週刊・上杉隆】


 きのう(6月17日)、「宮崎勤」に死刑が執行された。

 1988年から89年にかけて、埼玉・東京などで起きた連続幼女誘拐殺害事件の単独犯、2006年に死刑判決が確定していたあの男「M」である。

 これで、鳩山法務大臣下では4度目、同時に執行した他2人の確定囚を含めて、計13人に極刑を下したことになる。平成に入ってからの人数では過去最多、2ヵ月に1回という割合でみても最速のペースである。

「ベルトコンベヤーに乗せる感覚で執行していく異常事態だ。執行は治安を守る上で何の抑止力もない」

 死刑廃止議連は早速、記者会見を開き、会長の亀井静香氏(国民新党)は、改めて死刑に反対した上で鳩山法相を批判した。

 また、同議連事務局長の保坂展人氏(社民党)も怒りを隠さず、微妙な執行時期について次のように疑義を呈した。

「世に知らない人のいない死刑囚の執行は、秋葉原の事件に対する法務当局の反射効果ではないかと想像している」

 死刑反対派からしてみれば、鳩山法相は「殺人鬼」にみえるかもしれない。確かに、秋葉原通り魔事件の翌週の死刑執行はあまりにタイミングが良すぎる。

 だが、保坂氏自らが「想像」と言った通り、単にそれは偶然のタイミングにすぎない。執行日に関しては、秋葉原の事件はまったく無関係だ。なぜなら、宮崎死刑囚への執行は、秋葉原での殺人事件のずっと前に決まっていたことだからだ。

 むしろ執行日にはもっと政治的な意味合いが含まれている。きょう発売の『週刊文春』に記したので詳細はそちらに譲るが、先週(6月12・13日)恵比寿で開かれたG8法相・内務相会議の後、そして7月7日からの首脳会談のできるだけ前ということで、今週の執行になっただけの話である。むしろ問題は、なぜ今回、宮崎勤の死刑の順番が回ってきたのかいう点だろう。


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