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2008/06/16
NHK職員による株取引問題とメディア
執筆者: ichihara (11:24 pm)
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先ほどNHKで、職員によるインサイダー株取引問題について、会長と副会長が、ジャーナリストの立花隆氏らにこっぴどくあきれ果てられるという何とも痛快至極な番組をやっていました。 立花氏や今回の問題を調査した弁護士らで構成される第三者委員会は、職員のジャーナリスト精神の欠落ぶりに直面して危機感を募らせました。なぜなら、摘発された職員のひとりは、自らが犯罪者であるという認識に欠けるばかりか、実名を報道しないよう訴訟まで起こしているのです。世間一般の認識では、NHKといえば、弱者のために公正・公平な報道をして、権力を不断の監視をする正義の見方集団であったはずです。そして今後もそれはそうだし、NHKNの建物、設備、記者たちが集めた情報、すべて受信料を支払う国民の共有財産でもあるのです。それを私利私欲に使って、何とも思わない。いったい、NHK職員とはどんな人たちなのか、ここで、数少ない私の人脈の中でも、意外にいるNHK職員を紹介してみましょう。 【A氏】……早稲田大学政治経済学部卒業。学生時代は山岳サークルや、マスコミ志望者の多く集まる研究会に参加。高校時代から進学校。大酒飲みで、豪放快活な性格でNHKの難関試験に突破し、有頂天。 【B氏】……早稲田大学社会科学部卒業。学生時代はマスコミ志望者の多く集まる研究会の幹事長を務める。サークルを使って独自にメディア研究活動などをおこない、真剣に就職活動。超田舎から上京し、小学校からつねに成績・運動トップクラスだったことなどもアピール奏功、見事NHKの記者職に内定、有頂天。 【C氏】……慶應義塾大学法学部卒業。幼少時から慶応コース。学生時代はサークルには所属しないものの、チベットなどへ旅行。弁護士を志して一時予備校に通うも挫折。親が上場企業の幹部であることや、その割りにアクティブな学生時代、そしてなにより美貌を活かし、見事NHKの記者職へ内定。有頂天。 【D氏】……早稲田大学政治経済学部卒業。学生時代は入るのが難しいゼミでまじめに活動。第三外国語に高校時代から精通。非常に優秀。ひととしての質の高さが評価され、見事NHKの記者に内定し、プライドと誇りをもって現在に至る。 いずれも20代後半から30代の若手職員で、全員記者かディレクターです。つまり、例の端末にアクセスできる立場の人たちです。 よく、NHKでは格差社会、ワーキングプアなどと称する社会派問題を取り上げますが、実際番組を作っている人たちは、およそそうした底辺の人たちとはあまりにも対照的な、産まれたときからぴっかぴかの人たちだと私には思えます。三つ子の魂、百まで、とはよくいったもので、お坊ちゃま、育ち・家柄のよい、秀才たちの集まり、それが基本的にはNHKの本質といってよいでしょう。 うまいこと続きの人生、無事に立派な職業も手にして、ジャーナリズムという錦の御旗のもと、まあまあ、適当に自己実現も満たされたところへ、刺激に満ちた株ゲームに開眼。手元の端末から儲け話がいくらでも見られるとなれば、やらない法はありません。彼らに、「おいたはダメ」としつけるのはたいへんだと思います。権利意識も、ある。能力も高い。そういう人たちが、ぜんぜん悪いと思ってはいないことを「ダメ」と言わないといけません。 立花氏が、「あまりにも問題が大きすぎて」と動揺を隠せないのはそういうことだと私は思います。 私は、常日頃から、携帯電話しか通信手段として持たない人、つまりパソコンを持たない人は、貧の循環にはまっていつまでも金持ちになれないと訴えています。携帯電話だけでは得られる情報の質・量ともに、パソコンに較べてあまりにも劣るからです。いまの時代、情報は、金です。情報が得られない人=お金が得られない、つまり貧乏のまま置いてけぼりを食う人です。携帯電話は以上のような理由から、貧富の貧を拡大させる最悪のインフラという側面を持っているのですが、じつは民放テレビ放送もまた、見ている以上は絶対に上には行けない貧者の「ラットサークル」インフラです。なぜなら、民放テレビ放送をいくら見たところで、ひたすら広告を見続けさせられ、モノを買うことしか関心がなくなり、富を生み出すあらゆる手段をスポイルされる(時間を奪われる)からです。 これが、あと数年で、デジタル放送になる。そうなると、お金がないひとは民放テレビ放送を見られなくなります。つまり民放テレビ放送が貧者を、際限のない消費と無能力のラビリンスから解放して、貧者は賢者になる時間を手にする。私はそう思ってワクワクしていました。みんな、テレビを見なくなれば、本や新聞を読むようになるぞと。 そうしたらこのあいだ、生活保護世帯の人には、無料で政府がデジタル放送を見るためのチューナーを配るということにしたそうです……。さすが、政府と、大企業。貧乏人から搾取する武器をそう簡単には手放さないようです。 今回のNHK職員の株問題が、この巨大メディア権力に何か影響するということは、ほとんどあり得ないでしょう。そういうことが起こるにはあまりにも些末なこと、残念ながらそういうことです。 |
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