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2007年度司法試験結果


 9月13日に法務省が新司法試験合格者の発表を行った。旧司法試験の合格者は11月8日に公示された。本学の状況をお知らせする。

旧司法試験から新試験への移行の状況

 新たな法曹養成制度の下、2004年に各大学に法科大学院が設立され、昨年、第1回目の新司法試験が実施された。本学の法務研究科は、原則3年間の一貫した専門職法学教育を提供し、今後の日本と国際社会に求められる優れた法曹と、法曹資格を持った法学研究者や法律専門職を志望する人材の育成を目指している。そのため、2004年度に入学した学生のほとんどが、今回の新司法試験が初挑戦となった。なお、法務研究科からは、交換留学生としてペンシルバニア・ロースクールとコーネル・ロースクールのLL.Mコース*を修了し、ニューヨーク州の司法試験に合格した2名の学生も今回の司法試験に合格している。このように、単に司法試験合格だけを目指して学ぶのではなく、幅広い教養と多彩なバックグラウンドを持つ法曹の育成を本研究科は目指している。

 なお数字には表れないが、他大学法科大学院にも早稲田大学出身者が数多く含まれていることを特記しておきたい。

(*注)アメリカ合衆国のロースクールでは、国外からの留学生等を中心とする「LL.M.」と呼ばれる課程があり、修了すると、マスター・オブ・ロー(Master of Laws)の学位が与えられる。

2007年新司法試験法科大学院別合格者数等

 法科大学院名合格者数
3年標準履修*2年短縮履修
1東京大学法科大学院17838140
2慶應義塾大学法科大学院17341132
3中央大学法科大学院15319134
3京都大学法科大学院13517118
5早稲田大学法科大学院11510411
6明治大学法科大学院801961
7立命館大学法科大学院62359
8一橋大学法科大学院611744
9同志社大学法科大学院571740
10北海道大学法科大学院481830

* 法務省の発表では、「法学既修者」と「法学未修者」の意味で「既修」「未修」という言い方をしている。しかし、本研究科では「3年標準履修」を中心としており、いわゆる「法学未修」の学生だけではなく法学部出身の学生をも含めた多彩な背景を持つ学生を選抜し、既成概念にとらわれない真の法曹の育成を実践している。

旧司法試験第二次試験合格者数(人)

 大学名2007年度2006年度
1東京大学4592
2早稲田大学3585
3京都大学2543
4中央大学2043
5慶應義塾大学1657
6一橋大学1414
7北海道大学914
7大阪大学912
8明治大学818
8同志社大学817
8名古屋大学83
旧司法試験は2011年まで実施されるが、合格者数は逓減されていく

3年一貫の充実した専門法学教育の成果といえます。

 大学院法務研究科教務主任 浅古 弘 教授

 早稲田大学は、21世紀の社会をリードする質の高い法律家を育てていきたいと考え、3年一貫の充実した専門職法学教育のもとで、法学部出身者も、他学部出身者も、実務経験者も、同じクラスに集い、お互いに議論し、刺激し合い、学生一人ひとりが将来の進路を考えながら学修できる環境を提供してきました。3年一貫の専門職法学教育のもとで学修した者が104名合格したことは、この教育の一定の成果と見ることもでき、今般の司法制度改革の理念の一部を実現できたのではないかと考えています。


個性豊かな仲間とともに勉強できたからこその合格です!

 法務研究科2007年修了生 趙 誠峰さん

 私は今回新司法試験に合格することができました。これは多くの熱心な先生方のご指導ももちろんですが、それ以上にロースクールという学び舎に集まった個性豊かな仲間たちとともに勉強をすることができたからこそ、成し遂げられたものだと思っています。法務研究科での3年間は私に非常に多くのものを与えてくれました。

(2007年11月29日掲載)

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First drafted 2007 November 29.