福岡市政で今、大きな議論となっているこども病院の移転問題です。
きのうは吉田市政がなぜ人工島への移転方針を打ち出しているのかを解説しましたが、きょうは市長の方針に反対する人たちを取り上げます。
患者の家族が中心になって7万人を超える反対署名を集めていますが、きょうは、別の市民団体が6万4,000人あまり署名を市議会に提出しました。
きょう、福岡市議会に請願を提出したのは、福岡市の市民団体「こども病院の人工島移転に反対する連絡会」です。
連絡会は、「利便性が悪い人工島移転には、利用者や医療関係者が強い不安を抱いている」として、こども病院の人工島移転を止めるよう求めています。
請願と合わせて、連絡会がこれまでに集めた6万4,500人分の署名も提出されました。
その後、福岡市の吉田市長に対しても、市議会への請願と同様の要望書を提出しました。
吉田市長は、現在中央区にあるこども病院を東区の人工島へ移転させる方針を示していて、来月にも正式に決定する方針です。
しかし、利用者や小児科医、産婦人科医の多くが、橋だけでつながれていて交通アクセスが悪く、救急時に対応できないとして市長の方針に反対しています。
一方、こども病院を利用している子供の家族たちは別に7万4,000人分の反対署名を福岡市の吉田市長あてに提出しています。
福岡市は、交通アクセス上の問題点について、都市高速道路の延伸や道路の車線を増やして対応すると繰り返し述べていますが、時期や方法などは明らかにされておらず、きょうの福岡市議会では、最大会派の自民党からも厳しい意見が出ました。
福岡市は来月、親たちの要望に応じて説明会を初めて開催しますが、市としては人工島移転の方針を変更するつもりはないとみられています。
反対が広がる中、説明会での吉田市長の発言に注目が集まっています。
人工島が移転先としてふさわしい理由の一つに、福岡市は救急ヘリコプターが着陸しやすいことを上げていますが、人工島は福岡空港の離着陸のラインに当たっていて、航空関係者も首をかしげています。
これまで、福岡市の説明にはどうも理解しにくい面がありましたから、初めて開催される説明会が注目されます。