【北京=矢板明夫】尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近で発生した海上保安庁巡視船と台湾遊漁船の接触事故に絡み、中国人活動家ら約20人が18日、北京市の日本大使館前で抗議活動を行った。活動家らは約1時間にわたって、中国国旗を振りながら「台湾同胞を応援する」「日本人は釣魚島から出ていけ」などと叫び続けた。
「中国民間保釣聯合会」と名乗る活動家らは、日中間で合意したと伝えられている東シナ海ガス田の共同開発にも不満を示し、「日本が卑怯(ひきよう)な手を使って中国と東海(東シナ海の中国名)問題で合意した。われわれは中間線を絶対に認められない」などと訴えた。
現場付近の道路は一部通行止めとなり、100人を超える警察官による厳重な警備体制が敷かれた。一般市民の現場への接近も制限され、1人の中国人の若者が警戒線を超えてデモに参加しようとしたが、すぐに複数の私服警察官に、「あんたはダメ、彼らと違うだから」と制止された。
抗議活動終了後、リーダー格の男性は報道陣の「デモは公安局の許可を得たのか」との問いに対し、「見れば分かるでしょう」と語り、自転車で走り去った。
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