労働者らによる大阪府警西成署前の一連の騒動で、府警は18日、同署への抗議を呼びかける際に車を無許可で路上に止めたとして、労働者を支援する釜ケ崎地域合同労働組合委員長の稲垣浩容疑者(64)=大阪市東淀川区淡路4丁目=を道路交通法違反の疑いで逮捕した。
府警警備部によると、稲垣容疑者は14日夕から約2時間半にわたり、道路の使用許可を得ずに街宣車を同署前に止め、多くの労働者らを集めて人や車の通行を妨害した疑いが持たれている。調べに対し、黙秘しているという。
一連の騒動は、稲垣容疑者らが13日夕、「労働者が西成署の取り調べで暴行を受けた」と主張し、抗議活動を呼びかけたのがきっかけで始まったとされる。府警は暴行を否定している。
18日夜は同署周辺に約250人の労働者らが集まったが、同労組の抗議活動が短時間で終わったため、数人の若者が署の門の前で騒いだ程度だった。連日続いた騒ぎでは、18日未明までに労働者や若者ら18人が公務執行妨害容疑などで逮捕され、警察官18人がけがをした。