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2008-06-17

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ご迷惑をお掛けしましたこと、誠に申し訳ございません。ここに謝罪申し上げます。何をやっても不慣れで至らぬことばかりで、気持ちだけが先行して、お恥ずかしい限りです。他意はございませんので、どうかご容赦くださいませ。

2008-06-16

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数十年ぶりで佐世保の電気屋のYさんに

昨年、出張先で偶然、数十年ぶりで「この人だ」という方にお会いしました。

私こと何度も引越ししてきました。親の転勤の関係で幼稚園2個、小学校3個、中学校2個というように、累積するとこれまで30数回引越ししています。小学校の高学年のとき、九州西部の「佐世保」のまちに住んでいたことがあります。佐世保は、九十九島石岳動植物園、弓張岳など自然がきれいなところです。近くに「ハウステンボス」があったり、いまは「ジャパネットたかた」の拠点や「佐世保バーガー」など別の意味でも知られるようになりました。

当時は、米軍基地の「基地の街」と佐世保重工の「造船の街」でした。まちの中心に「四ヶ町商店街」「三ヶ町商店街」「戸尾市場」などがあって、街中に広めのアーケードが通っていました。そのアーケードのなかに「KH電気」があり、2階が部品専門売り場でした。KH電気はいまは「エレキット」などの組立てキットの販売もしています。

その頃は、電気のことに興味があり、部品を買ってきていろいろ組み立てたりしていました。最近のお子さんなら二足歩行ロボットPICマイコンなどで実にみごとなものを作られるようですが、その当時はやっとTI社のTTLが売り出された頃で、もっぱら3本足トランジスタで簡単な回路を組み立てる程度でした。頻繁に「KH電気」に出かけてましたが、そこにいらっしゃったのが「Yさん」でした。おそらく会社に入りたてのようで、部品を買うにあたり、とても親切にいろいろ教えて頂きました。数年後私は引越してしまい、その後佐世保に行くこともなく、Yさんにお会いすることもありませんでした。

昨年、ある街で測定現場をすることになったのですが、防水タイプの20ピンくらいの小型コネクタの形状が合わず、急遽コネクタの端子の接続をやりなおさねばならなくなりました。ICの足の幅と同じハーフピッチサイズの圧着端子締付け工具が必要になりました。出張先の電気店を駆けずりまわったのですが、この小さいピッチにあう工具はどこも無く、またRSコンポーネンツに連絡すると11万円ほどで、でも在庫は無いとのこと。パソコンで探したら街のはずれにKH電気があるらしく、ダメ元で立ち寄ってみました。お店まで辿り着いて店員さんに、圧着端子のピンの実物を見せると「このサイズならありますよ」とのこと。

でもすぐにレジで支払う訳ではなく、「こういったものは実際につけてみないと使えないこともあるんですよ。ケーブルはどのくらいの太さですか?その圧着端子お持ちですか?」という。それでコネクタのピンを1個手渡すと、実際にケーブルを通して「こうやるんですよ」と使い方を説明しながら、実際に締めてみせてくれました。「お客様も実際にやってみて、それでも大丈夫なら買ったらいいですよ。どうぞお使いになってください。そこらへん、邪魔だったら適当に片付けて、ご自由にやってください。ケーブルや圧着ピンも要るんなら、そこにあるの自由に使ってみて...。」といって店の奥に戻っていかれました。商売っ気の無いお店だなと思いつつ、店員さんのいうように、その後20〜30分間、持参した圧着ピンで取付け練習をし、使えることを確認して買うことにしました。おかげで現場測定にも間に合い、値段はかなりお安くて3千円程度でした。

レジで代金を支払おうとして顔をみると「あれっ?」どこかでお会いしたことあるような印象があります。だいぶお歳は召されていましたが、そのとき親切に応対してくれた方は、間違いなく小学生の頃佐世保にいらっしゃったYさんだと気付きました。どうしてこの街にいらっしゃるのか存じ上げませんが、すでに数十年経って先方は覚えているわけないし、私も見た目は昔と全く違いますので、その場はご挨拶もしないで帰りました。でも、なんとなく感動してしまいました。「どうもありがとう。」

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どうでもいいことをもう1つ。卒業記念に、学校の長い階段の下に手を広げた像を作りました。学校は赤崎小学校といったけど、夏休みの暑い時期に5名で、元岡さんという方のデザインをもとに、コンクリートをこねて基礎を作り、その上に鉄筋とラスで骨格を組み、その上に工芸用の白色コンクリートを塗って、半月ほどかけて2mくらいの像をつくりました。本当にどうでもいいことなんだけど、コレまだ残っているんでしょうかね?

2008-06-15

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平衡状態を維持するために

夕方からライブハウスのクラスタでのフリーコンサートに行ってきた。今日は練習不足で当初予定していた曲は弾けそうにないので、18世紀ギターで小品ばかりを演奏してお茶を濁してきた感じだ。演奏曲は以下の通り。(1) エリザベス女王のガイヤルド(ダウランド)、 (2) ビューティフル・プロミス(「約束」、佐藤弘和)、(3) 舟唄(タンスマン、カヴァティーナ組曲より)、(4) オーバー・ザ・レインボー武満徹編)。

今日はいつもいらっしゃる方以外にOさんという初参加の方がいた。ラミレスの新しいモデルで、モーツァルトポンセなどの曲を演奏された。人前で演奏するのは30年ぶりとのこと。セゴビアのように太い指で、ラミレス独特の低音域から最高音までどこをとっても深みのある甘い響きを醸し出す。巧い。

思い出した。高校生の時、市内の高校で合同の演奏会をすることになり、当時高校生だったギタリスト山下和仁氏も演奏に参加してもらえることになった。どのようなきっかけかは忘れたが、練習会場で今日と同じ手が届く距離で、まさにポンセのこの曲を演奏してくれた。今日聴いたOさんの演奏は、そのときと音色が一緒だ。目をつぶって聴いていると、ちょうどギタリスト山下和仁氏の演奏を思い起こさせるような、実にすばらしい演奏だった。

ところで、仕事の話に戻ると、実際は「宿題山積みの状態で、そんな遊んでばかりじゃダメでしょう?」という状況だ。しかし、ライブハウスのクラスタで演奏したり、あるいは、Oさんのようなすばらしい演奏を聴くと、頭の中がリセットされる。

普段は気づかなくても、頭がリセットされると、仕事という環境はおそらくストレスだらけの「非日常的な環境」なのだとわかる。仕事中は、どうしても意識が高揚して、些細なことでも、「トラブル」や「諍い」になることがある。おそらく同じ状況でも日常的な感覚では全く問題にならないことが多いと思う。仕事上で常識とされる内容と、通常の暮らしにおける常識とは大きくかけ離れているのだろう。

クラスタフリーコンサートは、三々五々集まってきて、人の演奏聴いて、自分も演奏して、それが終わったら帰るだけ。演奏のことや、曲のことは話すけど、いかなるお仕事されているのかとか殆ど伺ったことがない。ここは、ドラえもんの「どこでもドア」を使って、日常からワープしてきた「異次元空間」だ。でも、やはり今日もここに来てよかった。気持ちをいったんリセットすることで、心の余裕が違う。心の余裕は、研究に不可欠な思索や発想の原点である。別に仕事のためにクラスタに来ている訳ではないが、ここにくると、常識的な判断と意欲の源たる心の安定が保てるような気がする。

2008-06-14

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偶然に...

以前、ある研究会で隣の席に座った方と、たまたま話しこむことになり、その後食事を一緒にとって歓談をして帰ったことがあった。研究分野は全く異なる方だった。しかし研究の話だけでなく、音楽の話など非常に面白かった。楽器を弾く方に出会ったとしても、普通その内容は大きく異なる。ところが、この方は研究もやっているが、実はパイプオルガンの奏者だという。それで、バロック時代からの楽器がどうだとか、楽器共鳴するしくみはこうなっているとか、さらには対数軸で標記した音階周波数が何Hzなのかまで理解する方にお会いしたのは初めてである。そのときは「またお会いしましょう」と挨拶してそのまま帰ってきた。

その際いくつか研究に関する図を見せてくれた。その中に見覚えがある図があった。それは回転する円筒のなかに粒がいっぱい入っていて、ぐるぐる回転している状況を再現した図だ。これはもしかして「デジャブ」っていうやつかな?粒がカラフルに色分けしてあり、きれいな金平糖を作っているような状況だ。図を見ると、あまーくて懐かしいイメージがわき上がってくる。(もしも白黒でコピーしたら、コンクリートミキサ車の中身と思っていいと思う)。そのときは、「どうしてこの人のパソコンにこの図が入っているの?」と少し気にはなったものの、そのままにして忘れていた。

昨日、論文検索サイトでその方の文献等を調べたら、欧州の著名な研究者であるDr.K.P.先生と共著の論文がみつかった。英語じゃないので私には読めないんだけど、ヒットした論文の中に、十数年前のものだが、確かに「K.P.先生」と共著の論文がある。実は、私が、現在の研究テーマをするようになったのは、10年ほど前に偶然に「K.P.先生」の論文を偶然読んだことがきっかけだ。そのときは、論文中の金平糖の絵を見て、数値計算シミュレーションでこんな挙動が再現できるのだと非常に驚き、この分野の研究を是非やってみたいと思った。

私は今日まで、かつて私が読んだ「K.P.先生」の論文は、てっきりその主著者の「K.P.先生」の研究成果と思っていた。それは、「K.P.先生」の研究成果をまとめた著書のなかで、当該の論文の著者には、高名なもう一人の先生とともに「K.P.先生」のお名前だけが載っていたからだ。「K.P.先生」の論文を開いてみると、先日食事しながら見せてもらった「見覚え」がある金平糖の図が確かに入っている。先日の印象はやはり「デジャブ」ではなかった。

さらに論文を検索していたら、金平糖オリジナルの味付けは、先日研究会であった方がその数年前に数値解析を行い、論文で発表したものであるということがわかった。「K.P.先生」とその方が、いかなる理由で一緒に研究することになったのかはわからないが、主著者の「K.P.先生」は、おそらく共同研究者の成果をまとめただけであり、実は先日研究会でお会いした方ともう一人別の研究者の2名ですべての計算をされていたということがわかった。

私が研究するきっかけとなった論文の本当の著者の方に、彼の母国から1万6千kmも離れた東方の島國「ジパング」にて出会うという偶然に非常に驚いてしまった。

「有朋自遠方来不亦楽 」(朋の遠方より来る有り亦た楽しからずや)

2008-06-13

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1つのことしかできない。

「2つ以上のことが同時に処理できない」。女性は、例えば、子供あやしつつ、TVを見ながら電話で話して、同時に食事の準備をして、旦那とも会話しているというように、いろいろ同時に出来る方が多いようだ。

学校で授業していても、女子学生は友達とおしゃべりしながらでもちゃんと授業も聞いている。質問するとちゃんと返事が返ってくる。方や、そのお相手の男子学生はというと、女の子の一方的な「問わず語り」に夢中で授業なんか聞いていない。同じだけ話していたはずなのに、試験をしてみると女の子は通って男の子は落第点。男性はたいてい1つのことしか出来ない。それは、全く気にする必要はない。

見方を変えれば、1つのことしかできないことは、むしろ1つのことに集中力できれば、いい成果を出せるすばらしい性質と考えればいい。それならば、無駄な負担を簡単に終わらせて、最重要事項に最大限の時間を確保し、そのことのみに集中できる環境を整えればいいということになる。そのためには、全体のなかでの個別の事象の関連性と重要性を的確に見極める能力がいる。この肝心なところが難しい。

話は簡単だが、1日は24時間しかない。1つを得るには1つを手放さねばならない。この排反事象のジレンマを超えるのがちょっと難しい。