株式会社エースワン未払い賃金闘争 株式会社エースワン未払い残業これまでの経過と会社手口について 平成2年から平成15年にかけての動き 株式会社エースワンは、平成2年(1990年)パート社員(準社員と呼ばれ終日労働を行い日当制で賃金支給される)と正社員に関して、月間200時間超の労働をさせていたが、一切の割増賃金を支払ってなかった。これに関して、労働者からの訴えで監督署は平成5年(1993年)是正勧告を行い、さらに平成13年(2001年)にも是正勧告が行われています。 平成13年(2001年)是正勧告を受け、株式会社エースワンは、未払い残業の是正のため、次の手を講じています。 ある労働者の平成13年(2001年)12月分の給与明細と平成14年(2002年)1月分の給与明細を比較した際、労働基準監督署の是正勧告が入った前後では、当初、パート社員に対して日当6500円だった賃金は、日当5000円と1500円に振り分け、賃金総額を変更せず1500円分を残業代に当て残業代を支払った用に見せかけている。このときには、労働者に対して会社側から明確な説明もしていませんでした。 結局、各労働者の労働条件は、何にも変わらず今まで通り労働状態でした。 また、他の従業員も以下のようにされいました。 この時点で、株式会社エースワンは、就業規則を改定していますが、これに関しては、従業員のほぼ全てが知らない状態にありましたし、開示も説明もされていませんでした。 その後、平成14年(2002年)に就業規則の改定を行いました。 平成13年の改定で定められた就業規則、賃金規定では 1.基本給 2.諸手当(役付手当、家族手当、通勤手当、住宅手当、持家奨励手当、皆勤手当、市場手当、割増手当) でした。 これらの手当の中で、残業代の代償となる手当は、割増手当以外ありませんでした。しかし、この手当がつくことはほぼありませんでした。 次に平成14年(2002年)改定の就業規則、賃金規定で定められている賃金は 1. 基本給 2. 諸手当(役付手当、家族手当、通勤手当、住宅手当、持家奨励手当、皆勤手当、市場手当、割増手当) でした。 新たに、役付手当を残業代の代償となる手当てとし、賃金総額を変更せずに月40時間超に相当する残業代の対価に相当させてきた。しかしこの手当ての多くの役付手当が5万以下で実際の残業代に満たない状況にありました。 この時期の給与明細を以下に示す。 この給与明細を見てわかると思うが、時間外手当は一切ついてない、つまり残業代は1円も払ってないことになります。当然この労働者は、月40時間超の残業をしています。 この状況の下、労働基準監督署には、当然、残業の訴えが起こっている。 平成15年から平成17年までの動き この事態を受け、株式会社エースワンは、さらに平成15年7月16日(2003年)に就業規則、賃金規定の改正を行っています。また、残業の合法化を図るためを労働基準法に基づいた36協定の締結を行っています。 36協定の内容は、残業が法令限度いっぱいの1日3時間、月に42時間、年に320時間のくくりを締結しているが、従業員代表の選出は会社が決定し、まったくの不明確で、ほぼ全ての従業員は、誰が代表なのかさえ知らない実態がありました。 就業規則、賃金規定の改定も、まったく従業員には知らせず。就業規則自体も開示していませんでした。 就業規則、賃金規定の改正については、以下のようになりました。 1. 基本給 2. 諸手当(役付手当、業務手当、技能手当、努力手当、家族手当、通勤手当、住宅手当、皆勤手当、早出手当、市場手当、割増賃金) となりました。諸手当のうち、下線部は残業代の代償とする手当としてきた。このことを元に従業員の給与明細を見てみると 賃金規定変更前後の、給与明細(給与明細は同一人物のもの)を見比べると{平成15年(2003年)5月分と平成15年9、12月分}わかると思うが、賃金総額の変更は、まったく起こっていないです。 つまり、賃金総額を変更せず、振り分けていた各種手当を残業代とし、36協定法令限界の残業時間をさせても残業代を法的に支払ったように見せかけています。 当然、このときも、従業員に対して、まったくの説明は、行われていませんでした。 本来なら、平成13年(2001年)の賃金振り分けも、今回の平成15年(2003年)の賃金規定の変更も賃下げとなるのは明確なので当然不利益変更になります。 個々に十分説明の上に実行されなければならず、一方的な条件切り下げとなります。 ましては、ほぼ全ての労働者がこの事実を知らされなかったことを考えると、この手のやり口は非常に悪質と言わざるを得ません。また従業員は、200時間超の労働をこの間、やらされていて、賃金規定改正後も同様の労働時間・賃金でした。 平成17年から現在までの動き よって、この後も当然、労働基準監督署に対しての訴えが相次ぎ、平成17年(2005年)2月11日に労働基準監督署の強制捜査が入っています。 労働基準監督署の強制捜査の根拠は、36協定以上の労働をさせている。36協定違反で入っています。ここの労働者はつきに約230時間の労働をさせられていました。 この事態にきて、株式会社エースワンは未払い賃金を払うどころかさらに小手先の改変で乗り切ろうとしている。 その最たる例が、強制捜査以後、日当パート社員に対して、騙す様な雇用契約書を結場させている。その雇用契約書は以下に示すものである。 この雇用契約書で、日当7800円と書かれているのに、その後に基本日当5000と書きその差額は割増賃金とするとした意味不明契約書を結ばされていいます。 ここで注目すべきは、この雇用契約書の書式にあります。つまり、日当の欄、自給の欄の基本日当、基本自給はパソコンうちなのに対して、各自給、日当の記入欄は手書きでできるようになっています。 これは、基礎算定賃金を最低賃金並にして、後は残業代とするとしたことを如実にあらわしていて、平成13年(2001年)の賃金振り分けの本質から、何一つ変わっていません。まさに監督署向けに改善したように見せかけているだけです。 この後、株式会社エースワンは、さらに平成17年(2005年)7月16日に就業規則の改定を行っているが、この改定でもより手当を残業代とするとの規定をより明確にしてきました。 当然、従業員の賃金総額、残業時間は過去からまったく変わらない状況にあった。当然、就業規則改定も36協定も従業員代表もほとんどの従業員には知らない状況にあありました。 さらに、日当パート社員に対して、意味不明な説明のもと4月10日の雇用契約書と同様の形式で、今度は自給アルバイトに契約変更と給与の切り下げを行ってきました。 その契約書は以下に示すものである。 この雇用契約書でも時給を930円とし同様の手口で基本時給620円とし差額は残業代とすると、騙すような手口を行っています。 この時期に出された給与明細では、意味不明な表記となっています。 明細を見ての通り振り分け時給に総労働時間をかけたものであって、表記にすら問題があり、ここにも株式会社エースワンの姿勢が見え隠れします。 この後、株式会社エースワンは、就業規則の改定を何度か行い、不当な未払い残業の改善を行おうとしてきています。しかし、過去発生した未払いの清算は行っていません。 平成17年(2005年)の高知一般労働組合の就業規則に関しての、不当な点の追求や労働基準監督署の再三にわたる是正勧告や強制捜査に対してまっとうな改善をせず、小手先のみのごまかしのみで行ってきたことから、今回、平成18年(2006年)3月2日に監督署が書類送検を行っています。 この中で、今回の労働基準監督署の見解が大きく変わっている事が注目さます。 平成17年(2005年)の強制捜査では、あくまでも36協定違反で時間外協定を超えた時間の未払いおよび協定違反だったが、今回の書類送検では36協定そのものが虚偽であったとの判断を下しています。 このことは、日8時間、月160時間、年2080時間以上の残業が違法であって、36協定を基にした就業規則の手当で支払ったこととしていた残業代そのものが無効であったとなる。つまり、過去幾度となく、ごまかし、改変してきた就業規則そのものの有効性が疑われてきます。 ここで、重要となって来るのが、たとえ株式会社エースワンが有罪となってもあくまでも刑事罰のみの罰金30万、もしくは懲役6ヶ月の終わり、未払い賃金の支払請求については民事事件とされ、個々が要求しなければ、支払いは行われないので今後の請求の闘いが重要になってくる。一歩間違えば、1億の未払いが30万で処理されることとなる。 高知一般労働組合は、脱法的とも言える就業規則の改変と不当な雇用契約書のもとで発生した。未払い残業に関して闘っています。 |