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解剖率向上へ 日本法医学会が死因究明制度見直し提言案

2008年6月18日

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 解剖率の低さから、犯罪を見落とすおそれが指摘されている死因究明制度について、日本法医学会が制度見直しに向けた提言案をまとめた。各都道府県に「死因調査事務所」(仮称)を設置し、専従の医師や装置を備えた体制をつくるよう求める。専門知識を持つ医師がすべての異状死体を調べ、解剖率を現在の約9%から海外並みの20%に引き上げることを目指す。

 学会などの調査によると、死因不明などで警察が扱う異状死体は、10年間で約6割増え、07年は15万4579体に達した。しかし、大学の法医学教室あたりの医師数は90年代の約2.5人から07年度には1.9人に減った。全国約130人の解剖医では、現状の年間1万5千体の解剖が限界だ。異状死体の9割は警察官らが外見から死因を判断しているという。死因の特定が不十分だと、犯罪や新たな感染症を見逃すおそれがある。

 提言案では、司法解剖などを行う大学の法医学教室とは別に、国の予算で運営する「死因調査事務所」を各都道府県に設置、全国で120人程度の専従医と、解剖の補助や検査に医師1人あたり6人以上の職員の配置を求めた。死因を探るCT検査や中毒検査も可能な設備を備える。12月に最終案をまとめ、国に提言する予定。

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