長野県内のニュース

フロント > 県内ニュース一覧 > 記事詳細

雌雄型ヒメシジミ 長野・戸隠で発見

6月18日(水)

捕獲し標本にした雌雄型のヒメシジミ。体の左半分が雌、右半分が雄

 長野市戸隠豊岡に住む県自然観察インストラクターの今西修さん(55)が、右半分が雄、左半分が雌の特徴を持った雌雄型のヒメシジミ(シジミチョウ科)を自宅近くで見つけた。昆虫の生息を調査していた12日、今西さんの太ももに止まって気付き、捕獲して標本にした。研究者は「完全に左右で分かれているのはまれ」としている。

 県環境保全研究所などによると、ヒメシジミは、雄と雌で羽の色が異なり、雄は表が青で裏が薄い灰色、雌は表が茶色で裏が薄い茶色となる。6、7月に発生して草原に生息する。北海道から九州にかけて分布し、県内では山間部を中心に見られるという。

 見つかったチョウは、羽を広げた大きさが3センチ。大きさは普通だが、羽が表裏ともきれいに左右で雌と雄に分かれている。チョウの生態に詳しい松本市山と自然博物館の丸山潔館長(59)は「ヒメシジミの雌雄型が発生する確率は何十万分の一で、今回のようにきれいに分かれているのは特に珍しい。なぜ雌雄型が発生するのかはよく分かっていない」と話している。

 今西さんによると、このヒメシジミに気付いた時は雌側の羽しか見えなかったが、風にあおられ雄側の羽が見えて雌雄型だと分かり、慌てて持っていた網で捕まえたという。

 「自分が見つけられるとは思ってもみなかった」と今西さん。しばらく自宅で研究用に保管した後、多くの人に見てもらえる博物館などに寄贈したいと話している。