大阪地裁の法廷で3月、被害者の男性遺族(10代)が、殺人罪に問われた被告の少年(17)を傍聴席からけったとして、大阪府警がこの遺族を暴行容疑で書類送検していたことがわかった。調べに対し、「(被告を)許せなくて、カッとなってやった」と供述しているという。
天満署の調べでは、遺族は3月4日午前、大阪市北区の同地裁法廷で、被告席に座っていた少年に近寄り、さく越しに後頭部を1度けった疑い。法廷では、昨年2月に同市旭区の淀川河川敷で起きた殺人事件の論告求刑公判が終了した直後だった。
大阪地裁が3月「法廷での暴力は見過ごせない」として同署に告発していた。弁護側によると、少年は「処罰してほしいという思いはない」として被害届などは出していないという。
少年は同月末の判決で、検察側の求刑通り懲役5年以上10年以下の不定期刑を言い渡され、控訴している。