イカ釣り漁:全国一斉に休漁 燃油高騰で採算取れず

燃料高騰で一斉休漁し、旗を立てて係留するイカ釣り漁船団=長崎県壱岐市の勝本漁港で2008年6月18日午前10時16分、本社ヘリから上入来尚撮影
燃料高騰で一斉休漁し、旗を立てて係留するイカ釣り漁船団=長崎県壱岐市の勝本漁港で2008年6月18日午前10時16分、本社ヘリから上入来尚撮影

 全国20道府県の小型船(30トン未満)のイカ釣り漁業者で構成する全国いか釣漁業協議会(本部・東京、川端勲会長)が18日、燃油高騰で採算が取れないことから全国一斉にイカ釣り漁を休漁した。同協議会によると、休漁した船は3000隻に上るという。19日も休漁する。全国漁業協同組合連合会(全漁連)も7月15日に東京都内で全国の漁連代表者による集会を予定し、全魚種での全国一斉休漁も検討している。

 イカ釣り漁ではA重油が使用されるが、08年6月の推計は1リットル104円で03年時の2.7倍。しかし、市場の競りで決まるイカの価格には、燃油高騰のコスト高は反映されず、船を出すほどコストがかかる。

 イカ漁で知られる長崎県壱岐市の勝本港では約90隻が「燃油高騰により全国一斉休漁中」と書かれた黄色い旗を掲げ、岸壁に停泊。勝本町漁協の大久保敏治組合長は「私たちにとって燃油高騰は、生き死にに直結している。借金するか、あるいは廃業するか。もう限界だ」と全国のイカ釣り漁業者の苦悩を訴えた。

 同漁協には約200隻のイカ釣り漁船が登録されているが、半分は既に操業をやめている。「こんな状況では仕事に意欲も出ない」。大久保組合長はむなしく首を振った。【蒲原明佳】

毎日新聞 2008年6月18日 10時57分(最終更新 6月18日 12時31分)

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