【カイロ=村上大介】パレスチナ当局者は17日、自治区ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエルがエジプトの仲介で19日午前6時(日本時間同日正午)から停戦することで合意したと明らかにした。ロイター通信などが伝えた。エジプト政府高官も同国の中東通信に対し、この情報を確認した。ハマスが昨年6月、ガザ地区を制圧して以来、停戦合意は初めて。
停戦はまず第1段階で、ハマスなど武装勢力がイスラエル南部へのロケット弾攻撃をやめ、イスラエル軍も同時に軍事作戦を停止する。ただ、イスラエル側は合意を確認しておらず、ハマス高官も「交渉が続いている」としている。イスラエル国防省高官が17日夜、エジプト入りし、エジプト当局者と協議する。
イスラエル首相府報道官は「停戦に至っても、非公式な取り決めに過ぎない」と消極的な見方を示した。
双方は攻撃停止の後、イスラエルによるガザ封鎖解除と、ハマスが拘束しているイスラエル兵1人の解放に向けた交渉を本格化させるというが、イスラエルが封鎖解除に速やかに応じる可能性は少ないなど、今後の交渉の展開と停戦維持は予断を許さない状況だ。
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