長野市で4月に行われた北京五輪聖火リレーの出発地を辞退した善光寺を17日、チベット亡命政府駐日事務所「ダライ・ラマ法王日本代表部」(東京)のラクパ・ツォコ代表(51)が訪れ、寺関係者に謝意を伝えた。
ラクパ代表は、リレー当日朝に同寺本堂でチベット暴動の犠牲者を追悼する法要を営んだ「平和を願う僧侶の会」メンバーの案内で訪問。若麻績信昭寺務総長、大本願の鷹司誓玉上人とそれぞれ懇談し、出発地辞退を決めたことに、「難しい、踏み込んだ判断に法王とチベット自治政府を代表して御礼申し上げます」などと伝えた。若麻績寺務総長らは「仏教者として当然のことをいたしました」と応じた。
取材に対し、ラクパ代表は、聖火リレーがランナーへの妨害行為などで混乱したことをテレビで見ていたといい、「私たちは五輪に反対していたわけではなく、ああいう状況になったのは残念。騒動だけが話題になり、チベット問題の根本が(日本に)伝わらなかった」と話した。