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06/17-13:11--中小企業向け融資　県が回収を民間委託　不良債権12億4000万円

　岡山県は、中小企業を支援する「高度化資金」と「設備近代化資金」の回収対策で、今年度から民間会社へ業務を委託した。両資金では、事業の失敗、倒産により１２億４千万円が不良債権化。今後、税外債権全体の委託も検討しているが、「財政危機宣言」で対応に頭を痛める財政当局も、行方を注視している。 　３月に公募を行い、唯一応募した日立キャピタル債権回収（東京都）が業務を受託。債務者や連帯保証人への督促交渉、財産状況の調査などを担い、法的対応のアドバイザーも務める。契約期間は来年３月末までの１年間で、委託料は９００万円。 　これまで県が両貸付金の回収に当たってきたが、督促状の応答がない、債務者と連絡が取れない、条件提示に応じてもらえないなど、交渉は難航。交渉を打ち切ろうとする債務者もおり、民間会社のノウハウに活路を見いだそうと委託を決めた。 　１９５６年度にスタートした高度化資金は、中小企業の経営基盤強化に向け、組合による商業施設、工場団地の整備などが対象。土地や建物、設備購入費の８割まで低利か無利子で２０年間融資する。 　これまでに県内で１０８０億円（３月末現在）の融資実績があり、残高は１２１億３３００万円（同）。 　このうち、約１割に当たる１１億８９００万円（１０件）が債務不履行になり、不良債権化。金額が最大なのは３億６千万円で、期限から４０年以上償還されていないケースもあった。 　各組合とも貸し付け前に県の審査を受けたが、加工業組合３件、商業組合２件、建設業組合２件が倒産。このほか３件は事業が計画通り進まず、返済が遅れている。 　県によると、組合と競合する県外からの大型店出店や、バブル崩壊に伴う受注減などで事業が進まなかったのが主な原因。しかし、実態解明は「各組合ごとに個別の事情があり、一概にまとめるのは難しい」（県経営支援課）といい、抜本的な対策はまだ打ち出せていない。 　一方、中小企業の設備購入費を支援する設備近代化資金は、９９年度に終了したが、５３００万円（２６件）が滞納になっている。 　県全体の貸付金、使用料など税外債権の滞納額（０６年度）は３３億３００万円。今後、アドバイザリー契約など民間会社の全庁的な導入も検討している。 　県経営支援課は「今後も高度化資金の融資は続けるが、債務者の経営指導も行いながら、中小企業の支援に向け有効活用に努めたい」と強調。 　また、県財政課は「臨時的歳入対策はもう限界に近い。委託の効果を検証しながら、さらに議論を深めたい」と話している。

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