文明がもたらした豊かさの代償は、あまりにも大きい。先日、新見市内の環境イベントを取材し、地球温暖化についてあらためて考えさせられました。
同市市民環境会議が温暖化防止の輪を広げる「キャンドルナイトin新見」。夏至と冬至の夜に電気を消し、ろうそくの灯でゆったり過ごす全国運動「百万人のキャンドルナイト」の趣旨に賛同し、子ども向けに開いた企画です。
普段なら照明のともった家で、テレビなどを楽しんでいる夕刻。家族連れら約百人が食用廃油でろうそく約八十個を作り、火をつけました。合間には公園を駆け回り、虫の声に耳を澄ます。そして優しい明かりを静かに見つめ、子どもだけでなく大人も省エネの良さを体感したようです。
石油や石炭などを大量に消費し、利便性を追求したあまり、かけがえのない地球環境が脅かされています。森林開発や自動車の排ガスなどで温暖化が進み、天変地異や生態系への悪影響を引き起こしています。南極の氷は融解、南太平洋の島国ツバルは海面上昇で水没が懸念されるなど、異常は枚挙にいとまがありません。
二十一世紀は環境の世紀といわれ、六月は環境月間。七月には、地球環境問題が議題となる主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)も開かれます。
温暖化防止には、一人一人の行動が欠かせません。IT(情報技術)化社会の中、貴重なエネルギーを浪費していないか。二十一日の夏至の夜、ろうそくをともして考えたい。
(新見支局・大立貴巳)