太平洋高気圧の西への張り出しが弱いせいで中国地方の梅雨入りが遅れるなど今年は「梅雨前線異常あり」だそうだ。今後の雨の降り具合が気になる。
始終空模様をうかがうのは日本人の特性といえよう。変化の激しい気象を相手に長いこと米作りを営んできた結果だと気象に関する話を集めた「気になる天気の話146」(水沢周、藤井幸雄共著)は記している。
「こんにちは」「こんばんは」の後には元来、天気を表す言葉が続いたと考えられるそうだ。「こんにちは、これから雨になりそうだね」などという言い方を想定すれば確かにうなずける。
天気に対し念じる力が強い人をキミ(気見)と呼び、転じて「君」になった。また、田の面倒を見る人がタミ(田見)で「民」になったという語源説も紹介されている。一見気象と関係ない言葉にも深いかかわりがある。
オリンピックに合わせて日本、中国、米国、カナダ、オーストリアの気象機関が参加し、北京を舞台に「天気予報五輪」が開かれる。観測データを基にコンピューターを使って予報をはじき出す数値予報の精度を競う。
「また外れた」などと日ごろ文句を言いがちな天気予報だが、長年磨いてきた鋭い感覚と最新技術の融合で日本の金メダルは可能性十分と思える。さて、結果はいかに。