保坂展人のどこどこ日記
政治、経済、文化を幅広く語る。
 



野党タウンミーティング調査チームで、発言封じの体験を話す木村衣月子さん(右から2人目・12月13日)

タウンミーティングの「やらせ」が問題となり、公務員動員の「サクラ」で、「国民との対話」どころか「官々対話の世論偽装」の構図が明らかになったが、あきれた事実がまたひとつ明らかになった。昨日、参議院教育基本法特別委員会で福島みずほ社民党党首が問題を取り上げたが、野党4党のタウンミーティング調査チームでも共同で取り組むことが決まった。

タウンミーティングの「やらせ」「サクラ」の正反対の位置にいたその人は、木村衣月子(子どもの人権オンブズパーソン代表)で、文部科学省に対して「子どものいじめ自殺」の数字が警察庁の統計と比べて少なすぎるから是正するように何度も申し入れ、対応をしようとしない文部科学省に放置されていた。04年12月20日には、中山文部科学大臣にあてて『児童生徒の自殺に関する調査について』要望書を提出している。(※文書1)

2005年3月4日に地元で「教育改革タウンミーティング」が開催されるのを知って、ぜひ文部科学大臣に直訴しようと上京して、主催する内閣府タウンミィーティング担当室を訪れ、その主査と発言をしたい旨の談判をしたところ「特別扱いは出来ない」とあしらわれ、開催当日何度も手をあげるも指名はされずに終わったというのだ。

「いじめ自殺ゼロ」という虚偽統計を放置してきた文科省が、この時に木村さんの「重要な指摘」に耳を貸していれば、北海道滝川市や福岡県筑前町で「いじめ自殺」の事実を封じるような心ない対応が繰り返されることはなかったのではないか。木村さんは、タウンミーティング終了から5日後に文部科学省初等中等局児童生徒課生徒指導企画係から公印のない文書を受け取る。(※文書2)

→※文書1 文書2 タウンミーティング室のメール 警察庁子どもの自殺統計
http://www.kiyomi.gr.jp/photo/20061208hosaka.pdf
http://www.kiyomi.gr.jp/photo/20061208hosaka5.pdf

この臨時国会が始まってタウンミーティングのやらせ質問が問題になってから、内閣府タウンミィーティング担当室が発信したメールが公開された。そこには、「直接来訪した当日発言希望者がいるが、『特別扱いは出来ない。当たるかどうわからない』と説明してあります。なお、今回は特に発言予定者の振り付けは行っておりません。木村さんの(提出されたものは黒塗り)の事前意見を参考にして、
当たった場合に備えて児童生徒課の方で想定を用意して対応することになりました。「重要な指摘」を大臣に届けたいという熱心な市民の要望は放置して、言いたくもない人を「やらせ」「サクラ」で仕込むというタウンミーティングの体質を
雄弁に物語るではないか。

今日、野党4党タウンミーティング調査チームで来週12日開く会合(午後1時から衆議院第1議員会館第4会議室)に直接、木村衣月子さんに来ていただき証言を聞くことになった。

★福島みずほさんの『教育基本法改悪反対ニュース』にも、質問直後に書かれているので一部紹介しておきたい。

今日は私は、参議院の教育基本法特別委員会で、参考人質疑と文部科学大臣に対する質問を行いました。

いじめについての問題ですが、松江に住む女性が、文科省が言ういじめによる自殺の件数がおかしいと思い、警察庁に行き、交渉をしました。 警察庁は、コンピューターを駆使して、データを作ってくれました。 2003年の学校問題による自殺(遺書あり)は、中学生10人、高校生20人でした。

ところが、文科省の把握していた学校問題による自殺者の数は、中学生3人、高校生3人でした。 これはおかしいのではないかと彼女は文科省に行き、いじめによる死だときちんと実態を把握してほしいと要望しました。しかし、聞き入れられませんでした。

彼女は、地元の松江市でタウンミーテングがあると聞き、わざわざ内閣府の担当者に会い、要望書を出し、発言させてほしいと頼みます。 タウンミーティング当日、会場におもむき、発言時間に手をあげ続けますが、あてられません。

内閣府は、あたったときの想定答弁を作っておきながら、あげなかったのです。
タウンミーティングで、文科省は、いじめの実態をきちんと把握し直すべきだという発言は封印し、他方、お金を払ってやらせの質問をさせていたのです。

2005年3月5日のタウンミーティングの5日後、彼女のもとに要望書の3項目に対する回答が文科省から封書で届きます。 これが実は想定答弁書だったのではないでしょうか。 せっかく作ったので送ったのではないでしょうか。 警察と連携をとりつつ、実態把握につとめる旨の回答です。

そこで本日12月7日、委員会で質問をしました。 「文科省は警察に連絡を取りましたか?」 銭谷局長の答弁は「全く取っていない」というものです。 文科省は、文書を出しながら、連絡すら取っていなかったのです。 全くひどい話です。
いじめの実態に迫ろうともしていないのです。





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