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【岩手・宮城内陸地震】震源、マグマの直上 熱で地殻が軟化?
このニュースのトピックス:自然災害
岩手・宮城内陸地震の震源付近は、近接する栗駒山(1627メートル)のマグマの影響で地震が起きやすい場所だったことが、東北大地震・噴火予知研究観測センターの分析で17日、分かった。マグマから出た水分や熱の影響で地殻が軟らかくなり、地震の発生を後押しした可能性があるという。
同センターは火山と内陸直下型地震の関係を研究するため、地震波の伝わる速度から地下構造を調べる探査を栗駒山周辺で実施してきた。深さ約20キロのデータと照合した結果、今回の震源は、マグマの存在を示す地震波が遅い場所の直上に位置することが分かった。
栗駒山を形成するマグマは太平洋プレートの上面に沿って分布し、今回の震源直下まで枝のように伸びている。マグマは冷えて固まるときに水を出す性質があり、この水分が震源付近へ上昇。マグマからの熱も加わって地殻は軟らかくなり、壊れやすい状態だったらしい。
栗駒山周辺の地下ではマグマの分布にむらがあり、過去のマグニチュード(M)6級の地震もマグマの直上で発生する傾向があった。今回の地震はプレート(岩板)移動によって地殻が東西に圧縮され、ひずみが蓄積したことで起きたが、同センターはマグマの影響も一因とみている。
研究チームの松沢暢教授は「今回の場所でそろそろ地震が起きるのではと心配していたが、予想外に大きな規模だった。ひずみの蓄積とマグマの条件が重なる場所は危ないのかもしれない」と話している。
栗駒山の火山活動について気象庁は「特段の変化はなく、直ちに活発化する状況にはない」としている。
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