全国的な医師不足対策のため、舛添厚生労働相は17日、医学部の定員削減を決めた97年の閣議決定を見直し、医師の養成数を増やす方針に転換する考えを明らかにした。
閣議後の記者会見で、「いまは医療崩壊の状態で、(97年の)閣議決定を見直す方向で調整すべきだということで、福田首相の了解をいただいた」と語った。
近く厚労省でまとめる「安心と希望の医療確保ビジョン」に盛り込む。この日の「骨太の方針08」の素案にも「閣議決定にかわる新しい医師養成の考え方を検討する」と明記された。目標とする全体の医師数については今後、協議していく方針。
医師不足を巡っては、厚労省はこれまで、「医師数の抑制」という基本方針の下で、臨時の医師派遣システムの整備や医師不足が著しい地域の医大定員増などの応急的な対応をしてきた。