HLA検査に「C座」を追加
正常な血液をつくることが困難な病気(血液がん)を治療するために行う「造血幹細胞移植」で、骨髄の提供者(ドナー)と患者の「HLA」(ヒト白血球抗原)を適合させる検査に「HLA-C」(C座)を追加することが厚生労働省の委員会で承認された。予算の状況などを踏まえ、来年度からの実施を目指す。
臍帯血(さいたいけつ)移植や骨髄移植などについて議論している厚生科学審議会疾病対策部会の「造血幹細胞移植委員会」(委員長=齋藤英彦・名古屋セントラル病院長)が6月13日に開かれ、ドナー登録時に行う「HLA」の検査項目に「C座」を追加する必要性について森島泰雄・愛知県がんセンター中央病院副院長の報告を参考に審議し、「C座」の導入を決定した。
HLAは“白血球の血液型”で、「自分と他者」を識別するという大事な機能を持つ抗原。赤血球(A、B、O型など)に対し、「A座」「B座」「C座」「D座」「DR座」などがある。現在、ドナー登録時に「A座」「B座」「DR座」の適合性検査を行っているが、「C座」が不適合の場合に移植後の生存率などに差があるとの報告がなされていた。
今回、「C座」の追加が決定したことで、今後の課題は「検査のタイミング」に移る。「C座」の検査を最優先で実施するケースは、患者に適合するドナー候補が数人選ばれた際に実施するHLA検査であることはほぼ決まっているが、次に優先するケースを「ドナー登録時」とするかどうかは今後詰める。
更新:2008/06/17 12:53 キャリアブレイン
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