2008年6月17日 18時56分更新
かつて、福岡市に設立され戦前の政治や思想に影響を与えたといわれる政治結社「玄洋社」の資料を記念館の休館に伴って、福岡市の博物館が預かることになり、搬出作業が始まりました。
「玄洋社」は、明治時代に旧福岡藩士らが中心になって福岡市に設立され、アジア解放や国家主義などを唱えた政治結社です。
一部の社員が政治家の暗殺を企てるなど過激な側面もあり、戦後、GHQに解散させられましたが、戦前の政治や思想に影響を与えたともいわれています。
この「玄洋社」の資料を30年にわたって展示・保存していた福岡市にある記念館が、建物の老朽化で休館することになったためおよそ6000点の資料を福岡市博物館が預かることになり、17日から博物館の職員らが資料のこん包や搬出などの作業を始めました。保存されていた資料には、玄洋社の中心人物たちの書簡や集合写真、それに中国で辛亥革命に成功した孫文が玄洋社に贈った書などもあります。
福岡市博物館は、こうした資料を福岡の郷土史や日本の近代史の研究に活用することにしています。玄洋社記念館の浅野秀夫館長は「郷土の貴重な歴史資料として後生に受け継いでいきたい」と話しています。
また、福岡市博物館の田坂大藏顧問は「福岡の近代史の歴史の研究に生かしたい」と話しています。