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400年ぶりに和解した蔚山市と熊本市

 蔚山広域市と熊本市は24日、「400年間の宿怨(しゅくえん)」を拭い、手を取り合って和解と友情を誓った。

 両市はこの日、熊本市内にある熊本城の竹の丸特設ステージで「友情コンサート」を行い、「永遠の友人」になることを誓い合った。

 この日の歴史的な和解のため、蔚山市は23日に蔚山市議会・商工会議所・文化芸術界・地元メディアの有力者ら計60人以上からなる大規模な親善使節団を結成、熊本市を訪れた。

 朴孟雨(パク・メンウ)蔚山市長はあいさつで「胸を痛めた過去の歴史は忘れ、未来に向かって確かな友情を重ねていこう」と和解の手を差し伸べた。これに対し、幸山政史熊本市長は「歴史的に見て被害者である蔚山のほうが先に心の扉を開いてくれた」と感謝の意を伝え、「真の友人になるよう、ともに最善を尽くそう」と誓った。

24日、熊本市熊本城内の竹の丸特設ステージで行われた「韓日友情コンサートin熊本城」。朴孟雨(パク・メンウ)蔚山市長、幸山政史熊本市長とSG WANNA BEをはじめとする韓日両国の出演者たちが両市の友好を誓い、アリランを合唱している。/写真=キム・ハクチャン記者(熊本)

 蔚山と熊本の悲しい歴史は、約400年前の丁酉再乱(慶長の役)で、日本軍を率いる加藤清正が蔚山に駐屯したことから始まった。その後、敗退し追われる身となった加藤清正は、蔚山の陶工や製紙・瓦・築城技術者ら1000人を自らの領地である熊本へ連れて行き、彼らに熊本城を築くよう命じた。蔚山の築城技術により作られた熊本城は「難攻不落」と言われ、江戸城・大阪城とともに日本が誇る3大名城になった。蔚山の技術者たちが強制的に住まわされた町は「蔚山町」と呼ばれ、今も「蔚山しょうゆ」を作る工場があるなど、城下町には当時を物語るものが残っている。

 同日夜、蔚山MBCと熊本RKKテレビが共催した「友情コンサート」では、両市の伝統文化公演やSG WANNA BE、See Yaなど韓流人気グループのライブが行われ、日本各地から観客3500人が集まった。このコンサートは熊本市が今年初めから行っている「2007熊本城築城400周年祭」の秋のイベントの1つで、毎日・朝日といった日本の有力紙やテレビ局も多大な関心を寄せている。

 コンサート会場を指揮した蔚山MBCの金宰哲(キム・ジェチョル)社長は「今回のコンサートは両市が新たな友情の時代を切り開く歴史的な第一歩であると同時に、日本全国に蔚山市や韓国文化を伝えるいいチャンス」と語った。

熊本=キム・ハクチャン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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