奈良放送局

2008年6月17日 12時9分更新

救急医療の課題考える会議


救急患者の受け入れ先がなかなか見つからないなど救急医療の課題について話し合う会議が、16日、橿原市で開かれました。

この会議は、医師不足などを背景に救急患者の受け入れ先がなかなか見つからず搬送に時間がかかるなどという救急医療の課題について話し合おうと奈良県が新たに設けたもので、医師や消防士、それに県の担当者らおよそ25人が出席しました。
会議では医師や消防士が医療現場での課題を報告し、このうち県立医科大学の医師は「県内の救急患者の数はここ10年で1万人以上増えているのに、医師不足などで救急を担当する病院は減っており非常に厳しい状況だ」と述べました。
これに対し民間病院の医師は「高齢者の長期入院が増えたことでベッドに空きがなく救急の患者を受け入れられないという面もあり、問題の解決には県全体での議論が必要だ」と指摘しました。
また消防士からは「救急患者のおよそ半数は軽症であり、安易に救急車を呼ぶケースが増えているなど患者の側にも問題がある」という指摘が出されていました。
会議では、示された課題について議論を重ね、ことし秋ごろまでに対策案をまとめる方針です。