中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、ギョーザを食べ嘔吐(おうと)などの中毒症状を訴えた千葉市と市川市の2家族が、ギョーザを輸入した日本たばこ産業(JT)、販売した日本生活協同組合連合会(東京都渋谷区)との補償交渉で和解が成立したことを受け、市川市の母子5人の代理人の弁護士が16日、千葉市内で会見し、母親(47)が報道陣にあてた手紙を公表した。
手紙は400字詰め原稿用紙3枚分に相当。5人のうち、症状が最も重く、一時意識不明の重体になった次女(6)の健康状態が回復し、4月から保育園に通い出したことを明らかにした。
当時の様子について、「夕食を食べ終わってまもなく、子供たちが次々と状態がおかしくなり、救急車で病院に着いたら私も意識がなくなった」と振り返り、「次女が危ないと聞かされた時は、私の命をあげてもいいから、子供の命を奪わないで」という気持ちだったとつづっている。
母親は手紙では「生協連様、JT様、ありがとうございました。自分が思いやりを持てば、助けてくださる方も出てくれると思いました。今後二度とこのような被害を出してはならないと思います」と結んでいる。【寺田剛】
毎日新聞 2008年6月17日 地方版