福岡・筑前町の中２いじめ自殺：啓祐君の母・森さん講演−−防府・華陽中　／山口

　◇命の重さ、大切さ訴え
　長男をいじめ自殺で失った福岡県筑前町の森美加さん（３８）が１５日、防府市田島の同市立華陽中学校で講演した。人権教育の一環で教諭とＰＴＡが開催した。テーマは「命の重さ〜啓祐、君を忘れない〜」で、生徒や保護者ら計約８００人が熱心に聴き入った。
　森さんは０６年１０月、中学２年の啓祐君（当時１３歳）を亡くした。我が子を失って初めて、いじめに遭っていたことを知った。森さんはいじめられる側にも問題があると思っていたが、大きな誤りであることに気付かされたと言い「みなさんには個人の違いを受け止められるようになってほしい」と訴えた。
　また在りし日の啓祐君について振り返りながら「いじめ問題を解決できるのはあなた自身です」と強調した。
　真剣な表情で聴いていた生徒会長の大田巧君（３年）は「一人一人がいじめのない社会を作らなければいけないと思った。命を大切に生きていきたい」と話した。【藤沢美由紀】
〔山口版〕

６月１６日朝刊