「平沼新党」勝負のとき:平沼赳夫<対談>関岡英之(5)
2008年6月10日(火)18:19←前のページ 1 | 2 | 3 | 4 | 5
いまこそ21世紀の尊皇攘夷を
関岡 真の保守政治家、保守の第三極を待望する声は、もはや巷間満ち満ちています。衆望を一身に集める平沼さん、いよいよ新党構想についてお話しください。
平沼 新党は選択肢の1つです。もし新党を立ち上げるとすれば、時期は解散前がよいと考えていますが、いまは拙速を避け、じっくり取り組むべきときだと考えています。
3年前の郵政解散・総選挙で惜敗した政治家のなかに、志が高く、政策能力も卓越した人材が埋もれています。静岡の城内実さん、埼玉の小泉龍司さん、奈良の森岡正宏さん、京都の田中英夫さん、大阪の左藤章さんで、この五人については十分ではありませんが、物心両面で一所懸命応援してきました。それ以外に、全国から青雲の志を抱く人たちが名乗りを上げて来ています。地方議員や議員秘書など、志と能力を秘めながら選挙区の事情でこれまで出馬の機会に恵まれなかった人材です。自薦他薦さまざまですが、私が1人ひとり面接して、得心がいけば応援することにしています。
自民党内にもいい人材はいますから、「真・保守政策研究会」を1つの拠点にして連携を模索しています。もちろんいま「新党に来るか」なんて声を掛けたって、1人も来ませんが(笑)。永田町はそういうところだから。
あるいは民主党内にも、中堅、若手で優秀な人がずいぶんいる。国民新党も非常に大切な勢力だと思っています。なんとなれば参議院議員を4人抱えていますからね。私は幸い誇り高き無所属ですから、政党の枠を超えて付き合いの輪を広げています。
いま全国から毎日、ほんとうにたくさんのメールをいただきますが、「平沼新党をつくれ」という声が圧倒的です。「自分は保守だけれど、もう自民党にも民主党にも愛想が尽き果てた」と。ただ、新党の名称はまだ考えていません。フジテレビの番組ではキャスターの黒岩祐治さんが私にメモをくれて、それに「サムライ」って書いてあったんです。サムライ精神はいいですが、党名としては無理ですよ。
関岡 平沼新党が政局の鍵を握るということで、既成政党が平沼さんに秋波を送っていて、民主党の小沢一郎代表とも会食されたと報道されていますが。
平沼 参議院の川上義博さん、郵政総選挙で落選し、その後自民党から民主党に鞍替えして去年の参院選で当選した人ですが、彼がセットしたんです。生臭い話はいっさいしていませんが、小沢さんは私に「新党をつくれ」とさかんにいっていました。ただ、私のところに来るメールには「小沢さんとは一緒になるな」という声が意外に多いですね。彼の最大のポイントは、今年9月の民主党代表選挙です。それを乗り切るまでは旗幟鮮明にはできないでしょう。
関岡 「HANAの会」の方々についてはいかがですか。
平沼 麻生さんは次の総理にいちばん近い人だと思います。私も仲がよい。
安倍さんは「戦後レジームからの脱却」を貫けばよかった。靖国神社に行ったか行かないか、いわないという曖昧路線が天意にかなっていなかったと思います。やはり政治家は旗幟鮮明にすべきですね。中川昭一さんは昔から兄弟のような付き合いで、しっかりした思想の持ち主です。
関岡 先ほどの「サムライ」は、党名としては一考を要すると思いますが、必ずしもアナクロではないと思います。明治維新を達成したのは脱藩した志士たちですが、城内実さんや小泉龍司さんたちは、霞が関の安定した地位を捨てて徒手空拳で政界に飛び込み、自民党執行部の圧力に逆らって信念を貫き無所属になったのですから、まさに既成の体制を脱藩した志士ですよ。
また尊皇攘夷という理念には、皇統断絶の危機にさらされ、アメリカのグローバリズムと中国の脅威に直面する現在の日本にも通底するものがあります。攘夷というのは外国と戦争することではなく、外国に隷従しないということが本義でした。だから開国したのも、開国すること自体が目的ではなく、「大攘夷」を貫徹するためだったはずです。
平沼 先日、吉野の南朝史跡を巡り、後醍醐天皇の御陵や吉水神社にお参りしてきました。南朝には3種の神器があったんです。やはり吉野という所は特別な土地柄だと感慨を新たにし、帰ってきました。
日本の国土は至る所に深い歴史が刻み込まれています。歴史の彼方には、壮大な神話の世界が広がっている。私は神話の会の会長でもありますが、日本は世界でも比類のない豊饒な神話に恵まれています。神話は考古学では立証できない、科学や近代合理主義では説明が及ばないからこそ尊いのです。そしてその神話と歴史を貫いている基軸が、万世一系の皇統です。御皇室の存在こそが日本の伝統と文化、日本固有の価値観の源泉。この日本の歴史と伝統、日本固有の価値観に立脚し、日本を再生するための真の保守政治を担っていきたい、そう決意しています。
関岡 真の保守政治家、保守の第三極を待望する声は、もはや巷間満ち満ちています。衆望を一身に集める平沼さん、いよいよ新党構想についてお話しください。
平沼 新党は選択肢の1つです。もし新党を立ち上げるとすれば、時期は解散前がよいと考えていますが、いまは拙速を避け、じっくり取り組むべきときだと考えています。
3年前の郵政解散・総選挙で惜敗した政治家のなかに、志が高く、政策能力も卓越した人材が埋もれています。静岡の城内実さん、埼玉の小泉龍司さん、奈良の森岡正宏さん、京都の田中英夫さん、大阪の左藤章さんで、この五人については十分ではありませんが、物心両面で一所懸命応援してきました。それ以外に、全国から青雲の志を抱く人たちが名乗りを上げて来ています。地方議員や議員秘書など、志と能力を秘めながら選挙区の事情でこれまで出馬の機会に恵まれなかった人材です。自薦他薦さまざまですが、私が1人ひとり面接して、得心がいけば応援することにしています。
自民党内にもいい人材はいますから、「真・保守政策研究会」を1つの拠点にして連携を模索しています。もちろんいま「新党に来るか」なんて声を掛けたって、1人も来ませんが(笑)。永田町はそういうところだから。
あるいは民主党内にも、中堅、若手で優秀な人がずいぶんいる。国民新党も非常に大切な勢力だと思っています。なんとなれば参議院議員を4人抱えていますからね。私は幸い誇り高き無所属ですから、政党の枠を超えて付き合いの輪を広げています。
いま全国から毎日、ほんとうにたくさんのメールをいただきますが、「平沼新党をつくれ」という声が圧倒的です。「自分は保守だけれど、もう自民党にも民主党にも愛想が尽き果てた」と。ただ、新党の名称はまだ考えていません。フジテレビの番組ではキャスターの黒岩祐治さんが私にメモをくれて、それに「サムライ」って書いてあったんです。サムライ精神はいいですが、党名としては無理ですよ。
関岡 平沼新党が政局の鍵を握るということで、既成政党が平沼さんに秋波を送っていて、民主党の小沢一郎代表とも会食されたと報道されていますが。
平沼 参議院の川上義博さん、郵政総選挙で落選し、その後自民党から民主党に鞍替えして去年の参院選で当選した人ですが、彼がセットしたんです。生臭い話はいっさいしていませんが、小沢さんは私に「新党をつくれ」とさかんにいっていました。ただ、私のところに来るメールには「小沢さんとは一緒になるな」という声が意外に多いですね。彼の最大のポイントは、今年9月の民主党代表選挙です。それを乗り切るまでは旗幟鮮明にはできないでしょう。
関岡 「HANAの会」の方々についてはいかがですか。
平沼 麻生さんは次の総理にいちばん近い人だと思います。私も仲がよい。
安倍さんは「戦後レジームからの脱却」を貫けばよかった。靖国神社に行ったか行かないか、いわないという曖昧路線が天意にかなっていなかったと思います。やはり政治家は旗幟鮮明にすべきですね。中川昭一さんは昔から兄弟のような付き合いで、しっかりした思想の持ち主です。
関岡 先ほどの「サムライ」は、党名としては一考を要すると思いますが、必ずしもアナクロではないと思います。明治維新を達成したのは脱藩した志士たちですが、城内実さんや小泉龍司さんたちは、霞が関の安定した地位を捨てて徒手空拳で政界に飛び込み、自民党執行部の圧力に逆らって信念を貫き無所属になったのですから、まさに既成の体制を脱藩した志士ですよ。
また尊皇攘夷という理念には、皇統断絶の危機にさらされ、アメリカのグローバリズムと中国の脅威に直面する現在の日本にも通底するものがあります。攘夷というのは外国と戦争することではなく、外国に隷従しないということが本義でした。だから開国したのも、開国すること自体が目的ではなく、「大攘夷」を貫徹するためだったはずです。
平沼 先日、吉野の南朝史跡を巡り、後醍醐天皇の御陵や吉水神社にお参りしてきました。南朝には3種の神器があったんです。やはり吉野という所は特別な土地柄だと感慨を新たにし、帰ってきました。
日本の国土は至る所に深い歴史が刻み込まれています。歴史の彼方には、壮大な神話の世界が広がっている。私は神話の会の会長でもありますが、日本は世界でも比類のない豊饒な神話に恵まれています。神話は考古学では立証できない、科学や近代合理主義では説明が及ばないからこそ尊いのです。そしてその神話と歴史を貫いている基軸が、万世一系の皇統です。御皇室の存在こそが日本の伝統と文化、日本固有の価値観の源泉。この日本の歴史と伝統、日本固有の価値観に立脚し、日本を再生するための真の保守政治を担っていきたい、そう決意しています。
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