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直前調合基本 常識外れ 点滴作り置き 強制捜査

6月12日15時56分配信 産経新聞


 看護師による薬剤の「作り置き」が原因で院内感染をおこした疑いが強まっている診療所「谷本整形」。効能の劣化や細菌の繁殖が進みやすい点滴液は、投与の直前に調合するのが基本とされており、医療関係者からは常識を外れた診療所の対応をいぶかる声が相次いでいる。

 点滴液に使用された薬剤を製造、販売する業者は「開封後すぐに使うのが前提。開封したら滅菌状態は保てない」(食塩水の販売元)、「6時間までしか(効果と安全性は)分からない」(鎮痛剤のメーカー)と説明。大阪府内の医薬品卸業者は「そもそも作り置きすることを想定して製造しておらず、開封後の薬剤の取り扱いにまでは責任を持てない」と話す。

 「通常は点滴する直前に調合する」と話すのは愛知県内にある診療所の医師(55)。「注意していても院内感染することがある。(薬剤を)作り置きするなら、注射器を使い捨てにしたりして院内の衛生面に気を付ける意味がなくなってしまう」と谷本整形の対応に首をかしげる。

 また、大阪府立急性期・総合医療センター(大阪市住吉区)も「点滴液は細菌が繁殖しやすいので、化学療法として薬剤を調合する場合、滅菌状態の部屋で使用量だけ作ることは大原則。薬剤の作り置きは、医療人として言語道断の行為だ」と厳しく非難する。

 一方で、点滴液の作り置きが水面下で行われている実態を示唆する声もある。愛知県のある医師は今回の問題発覚後、診療所で勤務する看護師から、以前勤めていた医療機関で点滴液の作り置きが行われていたと聞かされたという。医師は「患者さんがたくさん来て、使う人が多かったのではないか」と指摘、問題の根深さを推し量った。

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最終更新:6月12日16時18分

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