水が燃料の車
- 2008/06/14(Sat) -
 日本で “水” を燃料に走る車が発表されたという。
 本当だろうか?
 大阪のジェネパックスという会社が開発したのだそうだ。

 Petrol pricey? Japanese invent car that runs on water

 
 


 特殊な触媒を使って水を分解して水素を出させるらしいのだけど,水素を燃やすわけでもなく,水素を取り出したとき発生する電子を利用するらしい。 つまり内燃機関の自動車ではなく,むしろ電気自動車だ。

 これが実用化されたらすごいことだ。
 生ゴミで走る,バック・トゥー・ザ・フューチャーのデロリアンみたいだ。
 すごいなあ,日本。


 
 
 
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Intergenerational School
- 2008/06/12(Thu) -
 オハイオのクリーブランドには “Intergenerational School” と銘打たれた学校がある。
 ピーター・ホワイトハウス博士夫妻が試験的に設立したこの学校は,ボランティアの老人が学校にやって来て,子供達の勉強をみてあげているという。
 
 Back to School May Help Those with Alzheimer's (by Joseph Shapiro, NPR)

 老人の多くは,アルツハイマー症や認知症を患った人々だ。
 いくら物覚えが悪くても,低学年の子供に読み書きや音楽など教えることができる。
 何より,学校にやって来て子供に囲まれていることが老人たちの生きがいとなり,毎日の生活にハリが出て,生きているのが楽しくなる。 

 『ここに来るまでは,もう,何もかもが嫌になってました。 夕食の時間でも,他の人達とまともな会話すらできない自分がいて,それが嫌で,すっかり落ち込んで暮らしていました』
 『だけど,この学校へ来るようになって,子供と笑ったり。 何より子供に囲まれていられるだけで,すごくいい気分なんです』 

 五分前の記憶が無いことなど,別に何の問題もない。
 老人を社会の片隅に追いやり,引きこもらせるのでなく,社会の一員としての生きがいの場を与えている。 子供達も,老人と接することや彼らの長い人生経験から学ぶこともたくさんあるだろう。
 素晴らしいことだと思った。


 
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毎日暑い
- 2008/06/10(Tue) -
 日本ではあまり報道されていないようだが,アメリカ中西部が歴史的な大洪水に見舞われた。
 何人も死者が出たらしい。

 5 homes washed away in Wis. as Midwest rivers swell
 
 かたやアメリカ東部,とくに南東部では干ばつが懸念されている。
 そういえば,ここのところちっとも雨が降っていない。
 今日,ジョージア州庁ではネイティブ・アメリカンの人達による雨乞いの踊りだか儀式が行れていた。 冗談や笑い事じゃなく,かなり本気だ。

 Ga. Capitol becomes stage for rain dance

 地球の気象というのは数十年とか数百年単位で周期的に大変動するものらしく,かつて大いに栄えた動物が絶滅したり,あるいは古代文明が滅亡した要因のひとつになっていたらしい。
 ここ最近の異常気象も,そういう周期的な気候の大変動によるのもあるのだろうし,さらに地球規模での環境破壊と,化石燃料の使用が,相乗してそれに拍車をかけているのだろうと思われる。



 とにかくジョージアは毎日暑い。
 今日は華氏100度 (≒38℃) に迫るイキオイで,今年一番の暑さだった。

 通りに立つビキニギャル
 洗車サービスを宣伝するビキニ姿のおなご達

 私的には,目のやり場がたくさんあって,うれちい。
 
 
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こんなナイフが欲しかった
- 2008/06/09(Mon) -
 秋葉原殺傷事件の犯人がもっていたナイフが公開されていた。
 正直,子供の頃はこういうのが欲しくて欲しくてしょうがなかった。

 <秋葉原通り魔>凶器はダガーナイフ 武器として設計も銃刀法規制外 ネットでも購入可能
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080609-00000023-maiall-soci

 私が小学6年生くらいの頃に放送されていた, 『2年B組仙八先生』 でも,ナイフのことが話題になっていた。 ナイフを持つ夏彦と,前川&すばるのコンビが対立する,という話があり,ナイフをみつめながら前川(薬丸)とすばる(本木)が  『こんなモンでよう・・・ どうのこうの・・・』 と,ナイフなんかにすがろうとする夏彦の心根の情けなさを嘆く,というシーンがあった。 

 それでも子供心にナイフはカッコイイと思っていた。
 いつか大人になったら,カッコイイナイフを大人買いしてやろう,と思っていた。


 一度,なけなしのお年玉でサバイバル・ナイフを買ったことがあった。
 後ろがノコギリ状になったワイルドな物だったけど,安物だったせいか前も後ろもさっぱり切れなかった。 試しに自分で研いだりしていたら,もっと斬れなくなってしまった。
 そのまま放置していたら,真っ赤に錆びてしまった。
 安物だからいかんのだ。

 その後も,いつかカッコイイナイフを買ってやろう,という気持ちは心の中で暖め続けていた。
 秋葉原の殺傷事件の犯人と同い年くらいの頃,彼女が 『誕生プレゼントに何か買ってあげる』 と言ってくれたので,一緒につり具の上州屋にナイフを買いに行ったことがあった。
 で,三時間程悩んだ挙句,結局,一番安かったオピネルのナイフを買ってもらった。
 『本当に,こんな安いのでいいの?』 と訊かれた。 内心,もっと光沢のある,カッコイイナイフにすればよかったかな,と思ったけど,どうも目移りして選べなかった。 ただ,このオピネルのナイフは,後にツーリングでキャンプしたときなど実に重宝した。 誰かが 『ナイフの百円ライターだ』 と呼んでいたけど,まったくそのとおりだった。 安物だっただけにわりと平気で荒っぽい使い方ができたし,それでも意外と頑丈で刃こぼれひとつしなかった。

 そういえば,こないだ観たインディージョーンズの最新作でもナイフが出てきた。
 インディーが古いミイラの包帯をあけたら,中から素晴らしく格好いいナイフが出てきたのだった。 インディーは思わずそれをネコババしようとして,息子に咳払いされ,しぶしぶ元にもどしていた。 インディーでもネコババしたくなるのか,と思うと,可笑しかった。 
 

 事件のことを書こうとしていて,ナイフの話になってしまった。

 ナイフに関する規制を厳しくするらしい。
 そしたら,ナイフだけでなく台所の包丁だって規制しなくてはならなくなる。 包丁で殺傷能力のあるものはいくらでもある。 包丁として販売するものは全て先が尖っていないものにするのか。 ジャガイモの芽とかトマトのヘタをとるのに不自由するな,と思ってしまう。

 結局,どんな規制をしたところで,凶器になるものなんていくらでもある。
 こういう異常な行動を防ぐためには,何か根本から見つめなおす必要があると思うのだけど,どうやったらいいのか私にはわからない。

 

 
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Kung Fu Panda (カンフー・パンダ 2008年)
- 2008/06/08(Sun) -
 カンフー・パンダという子供向けのアニメ映画,予告編ではとても面白そうだったので,坊と二人で見てきた。
 そしたら,全然面白くなかった。

 とにかく脇役のキャラが弱くて (印象薄という意) 観ていて退屈だった。
 連続する武闘シーンなどは,作り手の自己満足以外の何物でもなく,見飽きてしまう。
 声の出演には,ダスティン・ホフマンだの,アンジェリーナ・ジョリーだのルーシー・ルーだの,ジャッキー・チェンだの,せっかく豪華なキャストを取り揃えていながら,全然それが生かされていなかった。 ジャッキー・チェンなんか,一体どこでしゃべってたのかすら気づかなかったし,大した台詞も無かった。


 アメリカ映画によくある,日本文化と中国文化のごちゃまぜが,チラホラあった。 変なカタチの日本刀だの四方手裏剣だの出ていたし。 まあ,これはアメリカ人が作った映画であって,特異性の高い文化を,あえて普遍的なものに作り変えているのだから,と自分をなだめた。 それにしても,あれだけ大勢の中国系の人々が製作に関わっているなら,その辺ちゃんとしろよ,と思ってしまうのは,私が日本人だからか。
 あまりに露骨な親中国路線という映画全体の味付けは,まるで砂糖を入れすぎた酢豚を食っているみたいで,だんだんウンザリしてきた。

 そもそもデブ男の活躍なんて,食欲が減退するだけで,見ていてもちっとも面白くない。
 どうせ見るなら,マッハGOGOの実写CG映画の方がよかったかもしれない。

 
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栃木県
- 2008/06/08(Sun) -
 私は別に栃木県には何のゆかりもない。
 小学生の頃にみた教育テレビの子供向け番組では足利小学校が舞台だったせいか,栃木県というのは私にとってはアコガレの県だった。 学生時代にオートバイで細かい道など隅々まで走りこんだ。 そのおかげで,栃木の道路事情にはやたら詳しかったりする。

 栃木の名所は,たくさんある。
 日光があり,塩原高原があり,那須高原があり,川治温泉があり,益子焼がある。 どれも日本を代表するような美しいものばかりだ。 そういえば宇都宮の餃子だって有名だ。

 歴史的にも重要なものがたくさんある。
 徳川将軍家の墓所があることの他に,将門を倒した田原藤太秀郷の本拠地であり,足利尊氏の出身地でもあり,中世の学府だった足利学校がある。 足尾銅山事件での田中正造の話なども有名だ。 あちこちに点在する古墳跡や,国分寺跡なども充実していて,キチンと管理されている。

 県名:「とちぎ県」はいかが 自民・岩崎県議提案、「影の薄さ」返上??? /栃木
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080607-00000062-mailo-l09

 栃木県がとちぎ県になったところで,別に何の支障もないのだけど,知名度を高めようとして平仮名に改名しよう,などと発想したことを思うと,なんだか栃木県民が可哀想になってくる。
 これからは地域や民俗の独自性や特異性が尊ばれる時代がくるのだと思うし,知名度が低いことはむしろ誇れることになるんじゃないかと思うのだが,どうもそういう感覚は無いらしい。 内から外ばかり見るのでなく,県外に出て,外からの視点で自分の県をみつめ直したり考えたりしたことのある人は,県の為政者のなかに皆無なのだろうか。 だから,こんな貧しい発想しか出てこなかったのだろうか。

 よしんば,ひらがなの県名ということで知名度があがったとして,そんなんで嬉しいと思うのだろうか。
 そもそも知名度とは一体何なのだろう。
 人間は豊かになってくると不思議なことに 『何かを知らない』 とか, 『何かが嫌いだ』 とかいうことを鼻にかけて誇るようになってくる。 そういう奇妙な知的水準の低下に媚びて,それに迎合しようとするのは,自らをそういう水準に貶める行為だと思う。

 栃木県民のためにも,ひらがなの県名なんて絶対にやめるべきだと思う。

 
 
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ひさびさのヒトメボレ
- 2008/06/05(Thu) -
 小坂明子さんの 『あなた』 が発表されたのは,私が保育園に行くか行かないかの頃で,リアルタイムで聴いたことはあるんだろうけど記憶がない。


 ずっと下って私が25歳ぐらいになってから,カーラジオで初めてこの歌をじっくりと聴いた。
 男友達と二人で,深夜の高速道路を走っている最中だった。
 心にジーンと染み入る何かを感じつつも,なんだか照れくさいので,助手席にいた友人に 『この人妄想癖があるよな』 『うん,ちょっと怖くて,うかつに近寄れないよな』 などという知ったような失礼なことを話していた。 まったく,馬鹿が,と思う。
 歌っている小坂明子さんを,そのときの私はまだ観たことがなかった。 きっと悲壮感の漂ったような目で,思いつめたように一点をみつめて,暗い感じで歌っているんじゃないかと,なんとなく想像していた。



 そして21世紀になり,Youtube の時代がきた。
 ユーチューブ・サーフィンをしていたら,18歳の小坂明子さんが  『あなた』  を歌っている映像に,たまたまめぐり合った。
 ぼくわ,むねが,ずんとした。  (・o・)!
 ホレタ!  

 まだ十八とは思えない自信に満ちた顔に,恍惚とした表情。 ふくよかな満面の笑み。
 そして何より明るく美しい声。
 もう最高。
 彼女がカメラ目線で首を振るたびに,私も一緒に頷いてしまう。
 彼女の視線ビームが,電撃のように私の心臓をつらぬく。
 素敵だ。 ふつふつと力が湧いてくる。 
 

 というわけで,仕事に疲れたときなど,時々この映像を観させてもらっては活力を得ています。

 
 
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母にビンタくれた子の映像
- 2008/06/04(Wed) -
 今,この映像が話題になっているらしい。

 Fat Kid Slaps His Own Mother!
  

 この親子喧嘩にいたるイキサツは,どうも男の子が話しかけていたのに母が聞いてくれないので,男の子が母の腕だかをつついたらしい。 でも,母が相手しないので,子供がずっとつつき続けていたようだ。 そしたら母がキレて,  『いい加減にやめなさい!』 とばかりに,強烈な肘鉄を一発返したらしい。 それが子供には結構痛かったらしい。
 そこから始まったようだ。


 馬鹿馬鹿しい。 ただ,笑えない。

 寄せられたコメントをみると, 『どうしようもない子供だ』 『こんな子をのさばらせてる親が悪い』 とかいうようなのが多い気がするのだけど,私は明らかに親の方に問題があると思う。
 母親の態度もリクツも威圧的で一方的であるようだが,そんなのは別に大したことはない。 親ならよくあることだ。 ただ,言っていることは子供の方が正しく,はるかに筋道が通っている。
 この母親は子供の相手するのを面倒くさがって,他人に対しては絶対に見せないような邪険なそぶりを自分の子に対してしばしば見せていたのだと思うし,それを大人のリクツでもって正当化しようとしている。 自分で書いていて耳が痛いくらいだ。

 ただ,この母親は普段から子供にあまり目を向けたり,耳を傾けたりしてやっていないんじゃないかという気がする。 ファストフードだけで育ったかのようなこの子の体型をみていると,なんとなくそんな気がしてくる。 親の方がボスなのだ,としきりに主張しているけど,親が子よりエラクなるには,それだけの理由がある。 生物学的な親であることだけで 『親は子よりもエライのだ』 というリクツでは,子供にバカにされるだけだと思う。 同様なことは 『先生だから生徒よりエライのだ』 というリクツにも似ている。

 普段はどんなふうに叱っているのか?  おそらく普段はこの少年が実演してみせているとおりなのだろう。 だけど,カメラの前だから自分を抑えて,子供に爆発させているようだ。 そうやって少年を悪者にして,親は自らを被害者みたく演出しているのだとしたら,それはとんでもない親だ。 この少年の方が母親よりも賢く,はるかに勇気がある。 もっと愛が欲しいと訴えているだけだ。


 うちの坊も,この少年と同じように 『ぼくにしゃべらせてよ!』 といったりするので,この映像は我が子と自分の口論を見ているかのようで,ちょっとショッキングだった。
 私も坊を結構本気で叱る方だし,我ながら理不尽だなあ,と思いつつ怒ってしまうようなこともある。

 気をつけたい。 
 ただ,こんなつまらない親には絶対になりたくない。 

 
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ストーンヘンジは墓場だった!?
- 2008/05/30(Fri) -
 いつかストーンヘンジへ行ってみたいと思っている。

 ストーンヘンジというのは,いわゆるひとつの環状列石だ。 イギリスにある。
 環状列石は日本列島の日本海側や北海道に点々とあるし,南北アメリカ大陸にもある。 それこそ世界中に散らばっている。
 おそらくアイヌやアメリカの原住民らと近縁の文化圏の人達が造ったものだろうけど,それとよく似たもので,しかも,とんでもなく巨大なのがオセアニア大陸の西の果てのイギリスにもあるというのは,ひとつの壮大なロマンだ。

 これら環状列石が一体何の目的で作られたのかは,はきとしたことはよくわかっていなかったのだけど,最近のニュースによればストーンヘンジは埋葬場所だったらしい。

 Study: Stonehenge was a burial site for centuries
 
 ストーンヘンジから出土した遺骨を調べた結果,紀元前3000年ぐらい前のもので,あの独特な巨石によるオブジェが造られ始めた頃に埋葬されたものらしい。
 パーカー・ピアソン博士によれば,埋葬はその後500年ぐらい続いたらしく,およそ240人ぐらい埋葬されたらしい。 埋葬されたのは,王家とか支配者階級の人達だったようだ。


 こういう謎めいた遺跡は,やれ古代の天文台だったとか,暦を作る場所だったんだとか,宇宙人が作ったんだとか,いろいろ空想が膨らんで楽しいのだけど, 結局 『やっぱり墓場だったか』 と,一番ありそうな結論に落ち着いた感じだ。
 どいういう文化があったのか益々興味深く感じる反面,心の隅っこの方にひそかにしまっていた小さな夢が,またひとつ消えたような気もしないでもない。


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Of Mice and Men (by John Steinbeck)
- 2008/05/29(Thu) -
 スタインベックの短編小説
 レニーとジョージのコンビと,彼らをとりまく人間達を描写することで,スタインベックは 『人間とは一体何か』 ということをこの短い小説に要約しようとしていたのではなかろうか。 

 登場人物の様々な言動を描写することで,人と人との心のつながりというもののすばらしさと,それと表裏一体にある 『差別心』 や 『蔑視』 という醜い心のはたらきを浮き彫りにしていたように感じた。 また,レニーという精神薄弱な大男を操ることで,人の心の優しさと隣り合わせの怒りだとか狂気といったものを巧みに表現しているように思えた。

 物語の中でたびたび将来の夢の話が出てきた。
 相棒が語るワンパターンな空想話を,レニーは飽くことなく何べんでも聞きたがり,そのつど満たされた気持ちになる。 このあたりはまるで聖職者が語る同じ説話や詩を何度も聞いては満たされる信者を連想させる。 また,話を聞いた他の人々も 『自分もそこへ一緒に行きたい,仲間に入れてくれ』 と言いだす。 その様子はまるで 『ガンダーラ』 の歌詞のようでもあり,森村桂の父が語る 『天国にいちばん近い島』 の話のようでもあり,極楽浄土を夢見る一向宗の信徒達のようでもあった。
 人が抱く将来への夢や幻想と,いわゆる 『天国』 というものを同じ解剖台に置き,そこにある心の美しさだけでなく 『人間の神聖なる愚かさ』 というもののタネをあばいてしまう様子は,読んでいて実に心地よい明快さをもたらすが,反面,解剖標本を鼻先につきつけてくるようなえげつなさもあり,あまり後味のいい物語ではなかった。

 
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