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藤島高出身・岸さん犠牲 岩手・宮城内陸地震 鉄道博物館で活躍 6月16日午前10時00分

 震度6強を記録した岩手・宮城内陸地震で、行方不明者を捜索していた自衛隊や警察、消防は15日午後1時すぎ、宮城県栗原市の温泉旅館倒壊現場から旅館経営者の家族菅原チカ子さん(80)、宿泊客の観光コンサルタント麦屋弥生さん(48)=金沢市、団体職員岸由一郎さん(35)=東京都北区在住、群馬県生まれ=の3人を発見、死亡を確認した。
 岸さんは本県の福井大附属中、藤島高出身。1991年に藤島高を卒業して東京学芸大に進学し、97年に交通文化振興財団(東京)に就職した。交通博物館(同)で10年間勤務した後、昨年10月にオープンした鉄道博物館(さいたま市)の学芸員として活躍していた。

 栗原市によると、岸さんは昨年3月に廃線となった第3セクター「くりはら田園鉄道」の施設保存、活用策を検討する委員会のメンバー。13日に同鉄道本社で開かれた会合に出席していた。

 会合終了後、同じ委員の地域プランナー麦屋弥生さん(48)とともに駒の湯温泉一帯を視察するため、旅館に宿泊したとみられる。当初は日帰りの予定だった。

 鉄道博物館によると、岸さんは同博物館で展示車両の維持や補修に携わっていたという。沢登正行副館長(38)は「現地に残っているとは思わなかった。一生懸命仕事をする人だった。信じられない」と声を落とした。



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