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「タモリ倶楽部」出演のカリスマも犠牲に

 土砂崩れで倒壊した宮城県栗原市の旅館「駒の湯温泉」の建物の下敷きとなって死亡した岸由一郎さん(35)は、鉄道ファンの間で広く知られるカリスマ的存在だった。開館以来にぎわい続けている鉄道博物館(さいたま市大宮区)の学芸員として勤務するかたわら、個人として全国各地の廃線となった鉄道の車両や駅舎の保存運動に奔走。トロッコ列車にかんする著書もあり、鉄道関係者から「トロッコのあるところに岸あり」とも言われていた。熱心な取り組みは広く知られ、テレビ朝日系「タモリ倶楽部」の鉄道特集に解説役で出演したこともあった。

 鉄道博物館関係者によると、岸さんは13日、廃線となった宮城県北部の「くりはら田園鉄道」の保存活用策の検討委員会メンバーとして会議に出席。日帰りの予定だったが、同県栗原市にあるこの旅館に泊まっていた。同委員会メンバーで一緒に行動していた観光コンサルタント麦屋弥生さん(48)と地震に遭遇した。

 鉄道博物館の沢登正行副館長(38)は「現地に残っているとは思わなかった。一生懸命仕事をする人だった。信じられない」。荒木文宏館長代理(66)は「面倒見が良くみんなから慕われていた。とにかく行動力のある人だった」と声を落とした。鉄道ファンによるインターネットのサイトにも悲報に驚く書き込みが相次いだ。

 岸さんは福井県出身。東京学芸大で博物館学を専攻し、学生時代から地方の中小私鉄の車両保存運動を始めた。同大卒業後は交通博物館に勤務し、その後、鉄道博物館に移籍した。出身地にある京福電気鉄道の車両研究を進め、京都府の加悦鉄道や新潟交通電車線など多くの保存活動にかかわってきた。岸さんが設立メンバーの加悦鉄道保存会の森本寿会長(44)は「車両を産業遺産として残そうと情熱的に行政に働き掛けていた。もっと活躍してもらわないといけない人だったのに」と話した。

 岸さんと同じように建物の下敷きとなった麦屋さんは津田塾大卒業後、日本交通公社で草津など温泉観光地などの再生や振興計画を研究。04年にフリーとなり、06年から「田園観光都市」を目指す栗原市の依頼を受け観光産業づくりのプロデュースを手掛けていた。

 [2008年6月16日8時11分 紙面から]


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