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日本ハム多田野のヘナヘナ球に巨人打線手も足も出ず

 小笠原が、ラミレスが、阿部が凡打を繰り返しては、首をかしげる。12日の日本ハム戦。先発の新人右腕、多田野の超変則投球フォームに巨人打線がものの見事にもてあそばれた。

「調子は良くもないし、悪くもなかった」

 7回を散発の4安打1失点に抑えての今季3勝目を淡々と振り返った多田野は、直球が140キロを超えることがほとんどない。この日のMAXは139キロ。目いっぱいに腕を振っても、130キロにすら届かない真っすぐもあった。踏み出した左足を突っ張り、体を反り返して「よっこらしょ」と担ぎ投げ。力感をまったく感じさせない投球フォームから、ポンポンとテンポよく投げる姿は打撃投手のようでもある。重心を低くし、バックスイングを大きく取って、ヒジから投げる。そんな基本のすべてに逆らうような多田野に、巨人は谷の内野ゴロの間に1点を取るのがやっとだった。

 評論家の堀本律雄氏がこう言う。

「ピッチャーらしいピッチャー。いや、投球フォームは一見するとデタラメです。模範にも手本にもならない。が、ストライクを先行させる、緩急を使う、直球も変化球も同じ腕の振りで投げる――といった好投手に必要な条件をきちんと備えているから、実に面白い。投球の組み立てはストライクゾーンの高低、内外で勝負するのが普通だが、多田野はそこに前後が加わる。同じ直球でも球速を投げ分けている。それで打者のタイミングをずらす。個性的で見ていて楽しい投手が久々に現れた。力いっぱい投げるだけの巨人の若い投手は見習った方がいい」

●浮き彫りになった問題点

 珍妙、奇天烈(きてれつ)な多田野のフォームに巨人も警戒はしていた。試合前のミーティングで伊原ヘッドコーチが「ナメたらやられるぞ」と選手を引き締めたが、警戒はしても、攻略法までいかないのが今の巨人の弱いところ。データ分析、活用の稚拙さ、対応は選手任せというコーチの能力不足。多田野のヘナヘナ球に巨人のそんな問題点が浮き彫りにされた。なにしろ今季の巨人、これで初顔合わせの先発投手に3勝10敗とボロボロなのである。

 多田野は立大卒業後の03年に単身渡米。入団テストを受けてインディアンスとマイナー契約を結び、翌年にはメジャー昇格を果たして勝利投手にもなった。独特のフォームは、体の硬さと球威不足のハンディを補うため、「変化球に磨きをかけることこそ米国で生き残る唯一の道」と追求した結果、たどり着いたものだ。金銭面でも環境面でも日本で最も恵まれている巨人選手とは、そもそもハングリー精神が違う。巨人は再び借金生活に逆戻りした。

《グラウンドではサッパリの小笠原が夜は大ハッスル!》

●大ブレーキの3番打者はここ5試合でたった2安打

 久々の北海道ではしゃぎ過ぎたか。

 3番の小笠原がこの日も大ブレーキ。4試合ぶりとなる右前打を放ったものの、走者を置いた場面での3打席はいずれも凡退した。試合後は相手先発の多田野の印象を聞かれ、「丁寧に投げているという印象」とさすがに元気がなかったが、寡黙なこの3番打者、夜の街・ススキノでは打って変わって大ハッスルだったそうである。

 一昨年まで日本ハムの主砲として活躍していた小笠原にとって、札幌は第2の故郷。当然、地元の関係者、友人、知人らから、夜の誘いがやまほどかかる。

「札幌入りした日の夜は馴染みの寿司屋からスタートしてクラブ、カラオケと3軒もハシゴして、『ハメを外しすぎた』と苦笑いしていた。ダルビッシュに黒星をつけた11日の試合後も、ジンギスカンに舌鼓を打ち、何人かで焼酎のボトルを人数分空けたらしい。グラウンドで会ったら、顔がむくんでいたからすぐに分かったよ(笑い)」(日本ハム関係者)

●痛めているヒザは大丈夫?

 小笠原は昨オフに手術をした左ヒザの状態が万全でなく、グラウンドでは足を引きずっていることも多い。ここ5試合で14打数2安打、打率.143。ヒザ痛の影響は深刻だが、夜になると自然と足取りが軽くなるようだ。ヒザが悲鳴を上げるのも時間の問題か。

【2008年6月13日掲載】


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